2025.8.19
お寺の建築確認申請が難しくなっています。お寺の設計は専門家に(川島)
2025.8.19
Category: 本堂新築
最近、建築確認申請に要する時間と費用がどんどん増えています。
例えば・・・
〇 2025年4月の建築基準法の改正で、今までの「4号建築物」が “新2号建築物(木造2階建てや200㎡超の平屋)” と “新3号建築物(200㎡以下の平屋)” に分けられました。
そして、「新2号建築物」つまり、木造2階建ての庫裡や60坪以上の書院、客殿を新築する場合も、従来の「4号建築物」では提出の必要がなかった構造計算や省エネ性能を示す書類の提出が義務化されました。
〇 2018年に発生した大阪府北部地震でブロック塀が倒壊し、通学中の女子児童が死亡しましたが・・・
この事故をきっかけに、建物新築の建築確認申請を許可する条件として、建築当時は建築基準法に合法であっても、現行法では基準を満たさない塀や擁壁の改修が求められるようになりました。
〇 既設の木造本堂と新築建物を合法的に接続できる方法も、年々変化しています。合法的に接続したはずなのに、現在は違法扱いになることも度々。そのため、建築確認申請がスムーズに進むように、現在の法律や役所の解釈を確かめながら設計を進める必要があります。
建物の高性能化や安全性の向上は望ましいことです。
しかし、ほとんどのお寺では増築を繰り返しており、築年数の違う建物が共存しています。また、広い境内が塀で囲われているため、建築確認申請にはいつも頭を悩ませます。
しかも東京都では独自の条例が定められており、地方より建築規制が厳しいため、お出入りの建設会社や檀家の建築士から「設計と確認申請はお寺の専門家に任せた方がいい」と住職がアドバイスを受けることが多いようです。
おかげで、現在も都内4か寺の伽藍整備のお手伝いを進め、3か寺からご相談を受けています。
そのうちのひとつ、木造本堂新築のマスタープランを進めているお寺は、境内が東京都建築安全条例に基づく「新たな防火規制」地域内にあります。そのため本堂には「準耐火建築物以上」が求められます。
住職のご希望は「伝統的な木造本堂」です。
木造で「準耐火建築物」を実現するためには「燃えしろ設計」を採用する必要があります。
また、20年程前、住職が宮大工に手配してもらい購入した「ケヤキ材」を使いたいという強い想いをお持ちです。

△コンテナに大切に保管されているケヤキ材
「燃えしろ設計」では、採用できる木材の樹種や品質が法律で一応決まっているので、このような支給材をそのまま使えるかどうかわかりません。
きっと、一般の建設会社に相談したら断られてしまうところですが、菅野企画設計は諦めません。
国土交通省の告示を読み込んだ結果、実務上の細かい判断は明記されていませんでした。
建築確認申請を提出してから「やはり支給材は使えませんでした」ではお客様にご迷惑をかけてしまうので、事前に確認しました。すると・・・
適切な試験で規定の性能が証明されれば、支給のケヤキ材でも「燃えしろ設計」は可能だという答えを得ることができました。

△過去には、木材一本一本のヤング率を測定したこともあります。
木材の試験には、寺院用材の扱いに慣れた木材商の協力が必要です。
長年築いた協力関係を活かしながら、試験と設計を進めていきます。
境内整備を進めるに当たっては・・・
寺院設計、確認申請に関して、豊富なノウハウを蓄積している菅野企画設計に、是非お声かけください。
例えば・・・
〇 2025年4月の建築基準法の改正で、今までの「4号建築物」が “新2号建築物(木造2階建てや200㎡超の平屋)” と “新3号建築物(200㎡以下の平屋)” に分けられました。
そして、「新2号建築物」つまり、木造2階建ての庫裡や60坪以上の書院、客殿を新築する場合も、従来の「4号建築物」では提出の必要がなかった構造計算や省エネ性能を示す書類の提出が義務化されました。
〇 2018年に発生した大阪府北部地震でブロック塀が倒壊し、通学中の女子児童が死亡しましたが・・・
この事故をきっかけに、建物新築の建築確認申請を許可する条件として、建築当時は建築基準法に合法であっても、現行法では基準を満たさない塀や擁壁の改修が求められるようになりました。
〇 既設の木造本堂と新築建物を合法的に接続できる方法も、年々変化しています。合法的に接続したはずなのに、現在は違法扱いになることも度々。そのため、建築確認申請がスムーズに進むように、現在の法律や役所の解釈を確かめながら設計を進める必要があります。
建物の高性能化や安全性の向上は望ましいことです。
しかし、ほとんどのお寺では増築を繰り返しており、築年数の違う建物が共存しています。また、広い境内が塀で囲われているため、建築確認申請にはいつも頭を悩ませます。
しかも東京都では独自の条例が定められており、地方より建築規制が厳しいため、お出入りの建設会社や檀家の建築士から「設計と確認申請はお寺の専門家に任せた方がいい」と住職がアドバイスを受けることが多いようです。
おかげで、現在も都内4か寺の伽藍整備のお手伝いを進め、3か寺からご相談を受けています。
そのうちのひとつ、木造本堂新築のマスタープランを進めているお寺は、境内が東京都建築安全条例に基づく「新たな防火規制」地域内にあります。そのため本堂には「準耐火建築物以上」が求められます。
住職のご希望は「伝統的な木造本堂」です。
木造で「準耐火建築物」を実現するためには「燃えしろ設計」を採用する必要があります。
また、20年程前、住職が宮大工に手配してもらい購入した「ケヤキ材」を使いたいという強い想いをお持ちです。
△コンテナに大切に保管されているケヤキ材
「燃えしろ設計」では、採用できる木材の樹種や品質が法律で一応決まっているので、このような支給材をそのまま使えるかどうかわかりません。
きっと、一般の建設会社に相談したら断られてしまうところですが、菅野企画設計は諦めません。
国土交通省の告示を読み込んだ結果、実務上の細かい判断は明記されていませんでした。
建築確認申請を提出してから「やはり支給材は使えませんでした」ではお客様にご迷惑をかけてしまうので、事前に確認しました。すると・・・
適切な試験で規定の性能が証明されれば、支給のケヤキ材でも「燃えしろ設計」は可能だという答えを得ることができました。
△過去には、木材一本一本のヤング率を測定したこともあります。
木材の試験には、寺院用材の扱いに慣れた木材商の協力が必要です。
長年築いた協力関係を活かしながら、試験と設計を進めていきます。
境内整備を進めるに当たっては・・・
寺院設計、確認申請に関して、豊富なノウハウを蓄積している菅野企画設計に、是非お声かけください。