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2023.12.26

横浜市の高野山真言宗 天徳寺「土壁を使った本堂耐震改修工事」(川島)

2023.12.26

Category: 耐震補強

神奈川県横浜市の高野山真言宗 天徳寺で、築60年の本堂の耐震改修が進行中です。

工事は、石川県能美市の松浦建設(株)にお願いしています。
現在は、瓦を撤去し終わり、これから土壁補修や耐力壁の新設工事に移ります。


主な耐震改修のポイントは2つあります。

①【建物を軽くする】
  → 瓦を土葺きからビス止めに変更

②【建物を強くする】
  → 土壁や荒壁パネルなどの「耐力壁」の追加


①瓦の葺き替え

60年前に葺かれた瓦は下地に土が使われ、ひび割れも散見されました。
瓦下地の土は、防水の役割を果たしていますが・・・
屋根が重くなり、地震時には、より大きな力が建物に加わってしまう欠点があります。



そこで・・・
ゴムアスルーフと呼ばれる防水シートを敷き、その上に渡した桟木に瓦をビスで止めることで、
建物を軽量化し、地震時の負荷を軽減します。


②耐力壁の補修と追加

法要のしやすさを考えると、本堂内にはできるだけ壁を設けたくない。
そこで・・・
床下や小屋裏などに耐力壁を計画しました。
徹底した現況調査を行い、補強方法を検討したうえで、設計図面を描いています。

しかし・・・
解体を進めると、目視調査では分からなかった不具合を発見することも度々です。
今回も、外壁の下見板貼を撤去してみると、外側の土壁が塗られていないことが分かりました。


貫や竹木舞の状態は良好ですが、これでは耐力壁と見なすことはできません。
​​​外側から土を塗り増しして、6cm以上の厚みを確保します!

臭いところに蓋をせず・・・ひとつひとつ確認しながら、丁寧に工事を進めています。

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