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2019.2.12

岡崎市の真宗大谷派 專福寺の玄関は、太鼓楼に釣り合う唐破風屋根で(前嶋)

2019.2.12

Category: 客殿・庫裡新築

愛知県岡崎市の真宗大谷派 專福寺様の客殿・庫裡新築工事が進んでいます。

工事は岡崎の山崎建設にお願いしています。

現場では基礎工事が完了し、建方作業が始まりました。

 



境内には、岡崎市の「観光文化百選」にも選ばれている太鼓楼が建っています。

工事を進めている客殿・庫裡は太鼓楼と軒を並べるので、伝統的で、しかも印象的なデザインに!と考えていたところ・・・「玄関を唐破風にできませんか?」と住職。

弊社では、過去に多くの唐破風屋根を設計してきましたが、お寺ごとにデザインを変えて、設計しています。

今回は、軒の出を深く出せない事情があるので、凸の湾曲を抑えたデザインを試みました。




昨年末、棟梁の工場を訪ね、唐破風の原寸検査を行いました。
「むくりを抑えて、すっきりとして・・・いい感じだね」。棟梁も気にいてくれたようです。

「桔木(はねぎ)を入れるふところを考えると、軒先の納まりはこんな感じになるけど、どうかね?」
設計の意図を汲んだ提案をしてくれました。

「それなら、太瓶束(たいへいづか)は少し幅広にして・・・バランスをとりましょう」と菅野。

構造や施工を考慮しながら、その場でデザインを詰めていきました。

 

そして先日・・・
「鬼師から鬼瓦の原寸図があがってきました」と、現場監督から連絡を受けました。

 
鬼瓦の原寸図を事務所に持ち帰り、既に描いていた「兎毛通し」の原寸図と上下に並べて、デザインや大きさを再度チェック。
 
「鬼瓦に対して、兎毛通しが小さく感じませんか?」私の指摘に・・・早速、菅野がデザインを修正すると・・・見違えるほど、迫力と見栄えが増しました。
 


設計士は図面を描いたらおしまいと、思われがちです。

しかし菅野企画設計では、より魅力的な伽藍を完成させるために、大工や職人、現場監督と意見交換を重ねながら工事を進めていきます。

3月16日に予定されている上棟式では「餅撒き」も行われるとのこと、大変楽しみです。
 

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