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2026.10.13

監獄の居住性とは~奈良監獄ミュージアム~(福田)

2026年4月に奈良市にオープンした奈良監獄ミュージアム。
オープン以前から、奈良を訪れるたびにずっと気になっていましたが、ついにその施設に潜入できました。



△ 奈良監獄ミュージアム by 星野リゾートのゲート
(※入館には事前予約が必要です)

“オープン”と言っても、新しく建てられたのではなく、もともとこの地にあった重要文化財「旧奈良監獄」を改修した文化施設です。

奈良監獄は、2017年まで実際に少年刑務所として使われていた建物で、
・戦争や地震などの大きな被害を受けることなく、明治竣工時(1908年、いまから118年前)の姿がほぼそのまま残っている
・竣工時と同じ地に建っている
などが評価されて、同年の2017年に重要文化財に指定されています。

監獄としての「管理のしやすさ」とは別に、受刑者が過ごす場所としての『居住性』も垣間見ることができる建物です。

 

まず、建物の中に入って印象的だったのは、“明るさ”です。


△保存棟・第三寮の廊下

間接照明とは別に、天窓からの自然光が、吹抜けとなっている2階の中央通路から差し込み、
舎房の1階廊下全体をも明るく照らします。

訪問したのは8月下旬で、暑さ真っ盛りの時期でした。
聞けば、エアコン設備はなく、サーキュレーターを回しているだけ。
それなのに、不思議と感じる館内のひんやりとした空気に驚きました。


独居房の広さは、資料によると
ヨコ 1,820mm
タテ 2,680mm
高さ 3,300mm



△左:廊下から独居房を眺める 右:独居房内部

畳3帖分程度の広さで、現在は畳が取り払われており、房内は漆喰で真っ白に塗り固められています。

明治期の他の監獄と比較して、
1室3~4名の雑居房よりも、1室1名の独居房の方の室数が多いのも奈良監獄の特徴です。

このような室内環境の向上を意識した設計は、
受刑者の更生を実現する空間を目指した、設計者の意図なのだとか。

ただ、高い天井や目線より上に設置された窓を見上げていると、少しのせつなさを感じずにはいられませんでした。


 

ちなみに、余談ですが、
館内でもっとも注目したことが、ひとつあります。

「入所時の支給品一覧」で展示されていた、うちわです。

まさか…と思いながら、
目を凝らして骨部分を見てみると、ありました!
“ズズヤ”の文字!!



△ズズヤの文字が見えるでしょうか

“ずゞや”は、うちわ骨の生産量、国内NO.1の企業ですが、
その正体は、あの仏壇・仏具の製造・卸売メーカーの“ずゞや”です

実は、菅野企画設計も日頃、納骨壇や仏具などでお世話になっています。

さまざまなイベントのノベルティなどで配布され、日本では馴染深い樹脂製のうちわ。
お宅にあるアイドルブループのうちわにも、“ズズヤ”の文字があるかもしれません。

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