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2025.7.22

旧伽藍の古材を再利用することで、お寺の歴史を次世代に語り継ぐ(前嶋)

2025.7.22

Category: 本堂新築

愛知県犬山市の永泉寺開山堂・位牌堂・隠寮新築工事が始まりました。
工事は愛知県江南市の(株)アイチケンにお願します。

住職のご希望は、旧開山堂の祭壇周りの材をできる限り再利用すること。

アイチケンの工場へ赴き、解体時に活かし取りされていた材木の状態や寸法をチェックしました。






解体した部材から墨付やメモが見つかったり、木材の刻み加工などを観察していると、先人たちの思いが伝わってきてわくわくします。
 
ありがたいことに菅野企画設計には、古材の再利用の実績が数多くあります。


静岡市東光寺本堂では、旧本堂の祭壇まわりの丸柱・虹梁・木鼻などを再利用しました。



新しい部材も付け加えましたが、違和感のないように古色塗りで仕上げました。


神奈川県横浜市成就院位牌堂では、本堂の内陣に使われていた虹梁・蟇股・木鼻などを再利用しました。



天窓からの光が差し込む設計により、以前とはまた違った印象となりました。
 

栃木県小山市妙建寺本堂では、旧本堂の色彩画と龍の水墨画を修復して、絵天井を復元しました。



本堂としては珍しい百人一首の色彩画は、市の「おやま百景」に指定されています。

旧伽藍の部材を再利用することは、先人達の技を残すだけにとどまらず、そのお寺の歴史を次世代にを語り継ぐきっかけともなります。

小さな古材でも良いと思います。一緒に再利用の方法を考えてみませんか?

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