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2017.9.5

宝物館新築に当たり 住職と県、市の担当者と文科省文化庁へ(東松)

2017.9.5

Category: 納骨堂

寺院の宝物館を設計しています。

今年4月に、複数の設計事務所によるポロポーザルコンペを経て、設計依頼を受けました。
このお寺は、国宝や重要文化財をお持ちなので、展示や収蔵方法に関して、国の指導を仰ぎながら、慎重に設計を進める必要があります。
また、お寺からは・・・
「せっかく造るのなら、より参拝者を増やす工夫もしてほしい」という要望も受け、責任の重さをひしひしと感じています。




文化財収蔵庫の仕様については、文化庁から設計のハンドブックも出だされていますが・・・

より、具体的に検討するため、特別な許可を得て、公立の博物館と美術館を見学をさせてもらいました。

「この収蔵庫は最新のものではありませんので、参考になるかどうか・・・」と言いながら学芸員が案内してくれました。

収蔵庫の仕様や収蔵方法を見学することは、もちろん、設計の参考になりますが・・・学芸員から、普段不便に思っていることを具体的に聞けたことは、何より貴重な経験でした。




計画がある程度進んだところで、住職に同行し、霞が関の文科省文化庁を訪ねました。当日は、県と市の文化財担当者も同行しました。

補助金の申請や文化財収蔵庫に関しての問い合わせは、先ず、市役所に相談し、県へ。県から文化庁へいうプロセスになります。そのため、公が絡む手続きには、相当時間が掛かりそうです。

文化庁では2人の担当官と面談しました。補助金や収蔵庫の仕様について、数々の質問を投げかけたところ、思いのほか明快な答えが返ってきました。また、注意すべきところも丁寧に教えてくれました。


平面図と断面図で計画の概要を説明し、文化庁のハンドブックに準じていることを伝えると・・・問題なしの答えをもらい、ホッとしました。

補助金の申請など、今後も協議は続きますが・・・進め方と国の姿勢がよくわかったので、今後は、安心して設計に取り組めます。
ただ、敷地は埋蔵文化財包蔵地なので、発掘調査にも時間がかかりそうです。スケジュール調整に十分気を使いながら作業を進める必要があります。

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