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2016.6.21

熊本地震 震度7の被災地を視察して感じたこと(東松)

2016.6.21

Category: 耐震補強

6月14日と15日、所長の菅野とチームリーダー3人で熊本を訪ね、震度7を観測した益城町を中心に、被災状況を調査しました。

益城町の被災状況はかなり深刻でしたが、完全に倒壊している住宅、危険度判定で「危険」の張り紙が貼られている住宅が多いとはいえ、中には、被害が僅かで生活を続けていらっしゃる家もありました。



△1階が駐車場の家

元の姿がわかりませんが、倒壊したのは、1階を駐車場に利用していたため、耐震壁が少なかったのが原因だと思われます。




△総2階で寄棟屋根の家

構造的に最も有利な建物形状のひとつです。緑色の「検査済」の張り紙が貼られていたので、損傷が少なかったようです。




△木摺下地モルタル塗りの家

外壁の木摺り(モルタル下地の木の板)が地震で歪んで、仕上げのモルタルが剥落しています。


 


△サイディング外壁の新しい家

外壁がはがれた部分の内部を覗いた限りでは、筋交いが少ないように感じました。


 


△小舞下地で土壁塗りの家

土壁が落ちて、家が傾いています。伝統工法の家は、揺れながら粘り強く地震に耐えます。
ただ、この家は壁が少なかったようです。


歩き回って見た感想は・・・
被災した家は、地盤の亀裂や陥没に伴う傾きや、老朽化が原因の倒壊が高いということ。 新しい建物の被害は思ったより少ないので、住宅性能表示の「耐震等級2、3」の設計をすれば、 マグニチュード7程度なら震度7の地震でも、 倒壊することは少ないのでは、ということです。

では、「耐震等級2,3」とは?

建築基準法には明確な記載はありませんが、基準を満たせば「震度6強」程度の地震でも倒壊しない建物になります。しかし、それは現在の建築基準法に従って建てられた場合です。

これまで大地震が起きる度に、被害を調査分析して、建築基準法の構造計算基準が改定されてきました。最も大きな改正は昭和56年の新耐震基準。その後幾度か改正され、木造については平成12年に、ほぼ今の基準になりました。

そして、平成13年には住宅性能表示制度が始まりました。建築基準法を満たす耐震力が「等級1」、その1.25倍が「等級2」、1.5倍が「等級3」です。

ちなみに、菅野企画設計が設計している住宅は、「耐震等級2」を標準としています

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