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2021.9.7

東京の真宗大谷派寺院で木造本堂の耐震改修工事。限界耐力計算にて構造計算中(中村)

2021.9.7

Category: 耐震補強

東京都の真宗大谷派寺院で、木造本堂耐震改修工事の構造計算を進めています。

伝統構法で造られた木造伽藍を耐震改修する場合・・・
菅野企画設計では可能な限り「限界耐力計算」によって構造計算を行います。

この計算方法なら土壁や差鴨居などの粘り強さを耐震力に活かすことができるので、
伝統構法に最も適しています。

弊社には、過去の実績が多く蓄積されているので・・・
それを参考にしながら

「計算の考え方は妥当か?」
「構造上危なそうな箇所はどこか?」
「検討事項は漏れてないか?」などに注意し、作業を進めます。


たとえば・・・

柱の浮き上がり・・・強い耐力壁が取り付き、かつ固定荷重の小さい柱は地震時に浮き上がってしまう可能性があります。


△格子パネル(強い耐力要素)が取りつく隅柱などは要検討です。

小壁付きの柱・・・小壁によって地震時に局所的な力が加わり柱が損傷する可能性があります。


△地震時には、小壁の下端から柱に向かって「曲げ」の力が加わります。柱の断面寸法の検討が必要です。


格子パネルとビス・・・格子パネルのサイズ(縦横比)によっては、柱や梁の留め付けるビスがパネルより先に破壊してしまう可能性があります。


△横長・縦長の格子パネルの場合は、短辺を取り付けるビスの本数が少なくなるので要検討です。


ゾーニング・・・水平構面が不十分な場合、建物をいくつかのゾーンに分けて耐震力を計算する必要があります。
 

さらに、
構造計算に万全を期すため、必ずJSCA関西((社)日本建築構造技術者協会)のレビューを受けます。

本物件でも
荷重や耐力要素、計算根拠、結果をまとめレビュー用の提出書類を作成し・・・
JSCA関西の担当者とやりとりをしながら構造計算書を完成させていきます。

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