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コラムColumn

2025.10.23

第3回 大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」のレガシー保存とは(全3回/福田)

先週の10月13日、184日間の会期を終えて閉幕した「大阪・関西万博」。

ニュースによれば、すでに解体作業が進んでいるパビリオンもあるようです。
解体、移設、再利用と…、さまざまな“大人の事情”が垣間見えるなか、各建物が次のステージへ進もうとしています。

登場当初は否定的な意見の多かった万博公式キャラクター『ミャクミャク』。
ところが、会期が進むにつれて人気が定着していったのと同様、
もうひとつ、評価が大きく変化した建物がありました。

それが、万博会場の中心にそびえる———

『大屋根リング』です。



 

万博のシンボルとして建設された「大屋根リング」は、
直径(内径) 約615m、全長 約2kmにも及びます。
その規模から、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録にも認定されました。

日本の伝統技術である木組みの「貫(ぬき)接合」を現代的に発展させた構造で造られています。

そして、そのボリュームゆえ、全体を3つの工区に分けて施工されたそうです。
現地でよく見てみると、柱と梁の接合部分の異なる納まりを確認できました。


△なんとなく違いをお分かりいただけるでしょうか?

建築専門書の解説を思い出し「この工区は○○建設だな」と思い巡らしながら、リング散歩を楽しみました。
 

さて、この「大屋根リング」も、もちろん仮設建築物として設計されています。
つまり、閉幕後は解体撤去される運命でした。

当初は「巨大すぎる」「予算がかかりすぎる」などの否定的な意見が多く報道されていた気がします。

いざ万博が始まると、
その圧倒的なスケール感と木造の美しさに思わず心打たれたのか、現在では、
「ぜひ保存を!」
という声が上がっているそうです。

とは言え、保存前提で造られていないのが現実。
現在のところ、北東部200m分だけ切り出して残す方針が決定しています。

閉幕間際の大屋根リングの表面には、カビのような黒ずみが目立っていました。



今後も海風や雨、太陽の光にさらされつづける中で、恒久的に建物を維持するには、構造補強や安全基準等の再検証が必要になるのかもしれません。

役目を終えてなお、問題山積みの大屋根リング、今後も動向が気になります。

 

大阪・関西万博は、人生初参戦の万博でした。

正直なところ、当初は、単に「一度くらい見ておきたい」という軽い気持ちで出掛けただけでした。

しかし、実際に目の当たりにすると、大阪・関西万博のコンセプト通り、新たな技術やシステムを実証する「未来社会の実験場」として位置づけされているのを実感しました。

新しい素材やシステムに心躍り、行く度に新たな発見がありました。


次回の大規模博覧会は、サウジアラビアが初開催の「リヤド万博2030」。

会場の面積は、大阪・関西万博(155万㎡)の、なんと4倍(約600万㎡)と桁違いのスケールです。どんな建築たちが生まれるのか、今から楽しみです。

とは言え、サウジアラビアまではなかなか行きづらい…(笑)

今回の「万博のレガシー(遺産)」がどんなかたちでつながっていくのか、まずは、横浜で開催予定の小規模博覧会『2027年国際園芸博覧会』の方を注目したいと思います。

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