「冬の底冷えがひどくて、なかなか暖まらない」
「奥の部屋はうす暗くて、子どもの頃は怖くて近寄れなかった」
古民家に暮らすお客様から、よくこんなお話を伺います。
同じような経験をされている方にお届けする、古民家リノベのポイント第2回目です!
ポイント2
「耐震改修と一緒に、断熱改修を!」
建物が傾き、柱と建具との隙間から外気が入り込む…。
しかも、築80年、100年となれば、断熱材が入っていないことがほとんどです。
古民家が寒いのは、ある意味“当たり前”です。
また、かつての日本家屋は、日当たりの良い場所に仏間の和室を配置するのが一般的でした。
親戚が集まる場や、来客の応接間を兼ねていたので、必然的に日当たりの良い場所に。
その結果、居間や台所、その他の個室は、北側へ追いやられて暗くなる…。
こうした間取りも、古民家の寒さ・暗さの原因です。
古民家の耐震改修をお考えであれば、それを機に、ぜひ寒さ対策も計画に含めてください。
・断熱材の充填
・窓の刷新
これらは外せません。

ただし、壁断熱は、
・建物の「外側」に施工するのか
・建物の「内側」に施工するのか
どちらを選ぶかで、建物の見た目が大きく変わります。
外側から施工すると、外観の雰囲気が変わる一方、内側施工に比べて断熱効果は高くなります。
内側から施工すれば、外観を守れる反面、室内側に壁が厚くなるので室内が狭くなることも…。
古民家の価値をどこに置くかで、判断が分かれるポイントです。
暗さ解消の直接的な方法は、
・縁側を取り込んで居室にする
・物置化した2階の床を取り除く
・天窓を設ける
さらに、採光計画も重要です。
窓を増やせば良い、という単純な話ではありません。
などありますが、最適な方法は一棟ごとに異なります。建物に合わせて検討することが大切です。
・ 南面の窓の大きさと位置
・ 隣接する建物や庭木による影響
・ 室内の仕上げ材(壁や天井の反射率)
こうした要素を組み合わせて、光をどう導くか、を考える必要があります。
また、天窓や吹き抜けは上下階をつなげて光を落とす有効な方法ですが、耐震や空調計画と合わせて検討することが大切です。
(第3回につづく)