コラムColumn
2025.7.1
新築計画をお考えのお客様にご要望を伺うと、
「吹き抜け」
をあげる方は少なくありません。
言うまでもなく「吹き抜け」は、
2階建ての場合、
1階の天井と、2階の床が無く、
1階から2階まで、ひとつの空間で繋がっています。
明るく開放感ある空間を実現するのに、吹き抜けは大人気です。
上階の床は、人・家具・積雪などの荷重はもちろん、建物自体の自重も支えています。
実は、それだけでなく、地震や風などの水平力に耐える「水平構面」の役割を担っています。
要は、吹き抜けは、「床面に開いた大きな穴」と言えます(^^;)
ちなみに、上下階をつなぐ「階段」も同様です。
吹き抜けの隣に階段を計画すると、
「より大きな穴が開く」
というのがイメージできるでしょうか。
開いた穴を補いつつ、安全性を確保できるよう、適切な構造計算がなにより大切です。
2層分の空間が出来上がるということは、それだけ空調負荷がかかるということです。
夏は、冷房の冷たい空気は、下のほうに降りてきます。
そのため、エアコンは、吹き抜けの上階に設置するのがおすすめです。
一方、冬は、暖房の温かい空気は、上層に溜まりやすくなります。
そこで、冬は、シーリングファンやサーキュレーターを活用し、室内の空気を対流させることが大切です。
また、その他の暖房機器と併用することで、柔軟な空調計画が可能です。
○ 床暖房
○ ガスファンヒーター
吹き抜けを間取りに取り入れた知人から、こんな話を聞いたことがあります。
「子どもが小さい頃は、リビングと個室が繋がって楽しかった。
でも、子どもが大きくなると、夜更かしして音が響くのが難点」
家族構成は変わらずとも、年齢を経て、ライフスタイルは変化します。
「子どもが成人して夜遅くに帰ってくるようになり、
玄関の吹き抜けは音がよく通るので、
2階の寝室までよく聞こえます(笑)」
…というお話も。
将来的な家族のライフスタイルの変化も見越しつつ、吹き抜けをご検討ください。