現代的利便性は全く考えの中にはないこと。それを理解いただいたがゆえに完成できたと感謝しています。
- 高野山真言宗 興正寺
住職/西部 法照 様 - 愛知県名古屋市
≪興正寺「密厳堂」建立の意義≫
構想から3年余、令和7年5月興正寺密厳堂は落慶を迎えることができました。
密厳浄土は密教的生命の源泉を表します。その密厳浄土をどのような形で可視化し、表現できるかが今回のプロジェクトの当初からの課題でありました。それは表面的なことではなく、本質的・持続的に捉えるべき命題であったことは言うまでもありません。
≪基本的考えは、建物における本質性と持続性の重視≫
その構想・課題を共有し実現に向けての第1歩を開くべく相談に伺ったのが「株式会社菅野企画設計」でありました。
現代的利便性ということは全く考えの中にはないこと。それを設計理念として考えていただきたい由を伝え、それを理解いただいたことに始まります。設計理念の軸足を明確にし、ゆるぎないものとして推し進めていただいたがゆえに完成できたものと感謝しています。
施工は、「株式会社 竹中工務店」に引き受け頂くことになりました。竹中工務店は現代超一流の建設会社であることは勿論のこと、数百年の歴史を踏まえた現代貴重な伝統技術を伝える会社でもあります。
≪伝統工法とは何なのか≫
それは、建築における素材の単純化と持続可能性ということにあるのではないでしょうか。日本の伝統建築においては、「木と土と石」。この三種の素材で全てが完成。しかもその三種の素材だけで作ることによって、最も丈夫な、最も長持ちする、建物を作ることができる。素材の数が増えれば増えるほど永続性は低くなる。建物の老朽化は一番に永続性の低い素材によって決まるからであり、飛鳥・奈良における古代の寺院建築が千数百年に亘って今日に残されていることが、それを証明している。
今回の建築は、堂内の床は全て瓦四半敷き、堂前には正方の回廊をめぐらし回廊の中庭は苔庭とし、古代の堂宇様式を再現しました。
そして、特筆すべきは、堂内に電気類を一切入れていないことです。勿論灯明はロウソクのみ。この厄介とも云える古典的堂宇を如何にして現代に活かし切るか、それが私に課せられた大きな課題であると享けとめています。
構想から3年余、令和7年5月興正寺密厳堂は落慶を迎えることができました。
密厳浄土は密教的生命の源泉を表します。その密厳浄土をどのような形で可視化し、表現できるかが今回のプロジェクトの当初からの課題でありました。それは表面的なことではなく、本質的・持続的に捉えるべき命題であったことは言うまでもありません。
≪基本的考えは、建物における本質性と持続性の重視≫
その構想・課題を共有し実現に向けての第1歩を開くべく相談に伺ったのが「株式会社菅野企画設計」でありました。
現代的利便性ということは全く考えの中にはないこと。それを設計理念として考えていただきたい由を伝え、それを理解いただいたことに始まります。設計理念の軸足を明確にし、ゆるぎないものとして推し進めていただいたがゆえに完成できたものと感謝しています。
施工は、「株式会社 竹中工務店」に引き受け頂くことになりました。竹中工務店は現代超一流の建設会社であることは勿論のこと、数百年の歴史を踏まえた現代貴重な伝統技術を伝える会社でもあります。
≪伝統工法とは何なのか≫
それは、建築における素材の単純化と持続可能性ということにあるのではないでしょうか。日本の伝統建築においては、「木と土と石」。この三種の素材で全てが完成。しかもその三種の素材だけで作ることによって、最も丈夫な、最も長持ちする、建物を作ることができる。素材の数が増えれば増えるほど永続性は低くなる。建物の老朽化は一番に永続性の低い素材によって決まるからであり、飛鳥・奈良における古代の寺院建築が千数百年に亘って今日に残されていることが、それを証明している。
今回の建築は、堂内の床は全て瓦四半敷き、堂前には正方の回廊をめぐらし回廊の中庭は苔庭とし、古代の堂宇様式を再現しました。
そして、特筆すべきは、堂内に電気類を一切入れていないことです。勿論灯明はロウソクのみ。この厄介とも云える古典的堂宇を如何にして現代に活かし切るか、それが私に課せられた大きな課題であると享けとめています。