完成ギャラリー

木造伽藍木造伽藍

高野山真言宗 興正寺 密厳堂・回廊新築

「密厳堂と回廊は、木と土と石と瓦だけを使った伝統構法で造ってください」と住職。

その他は、大まかな間取りを指示されただけで、ほとんど口を挟まれませんでした。
そのため、今まで蓄えたノウハウを駆使して、
美しい間取り、木割り、寄棟屋根、軒の反りのデザインに没頭しました。

ところが、
開放的な回廊は建築基準法が求める構造とは相いれず、合法性を確保するため試行錯誤を繰り返し・・・
大学教授の協力を仰いだものの問題解決に6か月間を費やしてしまいました。

スケジュール的にはまさに滑り込みセーフ!
住職に気苦労をかけてしまいましたが、最後まで信頼してくださったことに感謝するばかりです。
  • ■愛知県名古屋市
  • ■施工/(株)竹中工務店名古屋支店
  • ■木造平屋建て
  • ■床面積/約185㎡ 建築面積/約393㎡
  • ■2024年竣工

ご住職に聞くお客様の声

  • 寄棟造り屋根の密厳堂の西側に外周17.6m四方の回廊を配置しました。
  • 敷地は境内の高台で、緑に覆われています。五重塔は国指定重要文化財です。
  • 山門前から緩やかなスロープでアプローチ。作庭のコンセプトは、さりげなく自然に。
  • 回廊へは唐門から入ります。
  • 唐門を抜けると回廊越しに密厳堂の寄棟造りの屋根が見えます。
  • 回廊は幅2.5mで外周壁は漆喰仕上げ。窓は無双窓です。中庭側は桧の18cm角柱が2.5mピッチで並んでいます。床は三和土仕上げです。
  • 密厳堂前の回廊の床は、唐門の床より30cm高くなっています。床だけでなく屋根もスロープ状に造りました。
  • 中庭の中央に幅1.8mの道を設けました。落慶法要では、回廊に参拝者が並び、この道を舞台に展開したイベントを楽しみました。
  • 密厳堂は間口7間×奥行5間の広さ。内陣は直径36cmの桧の丸柱と虹柱で囲いました。照明器具は設けず灯りは自然光と蝋燭のみです。
  • 内陣の組子天井で5mの高さ。床は敷き瓦の四半敷きです。
  • 木材は伝統的な仕口と継ぎ手で刻みました。総桧造りです。
  • 密厳堂の小屋組み完成。桔木と呼ばれる丸太が深い軒を支えています。
  • 屋根は本瓦風いぶし桟瓦で葺き上げました。縦横に渡した桟にビスで瓦一枚一枚をビス止め。地震と台風対策は万全です。
  • 壁は柱の間に渡した貫に竹小舞を固定し、荒壁を塗りつけました。土壁の粘りで地震に耐える構造です。
  • 床は平瓦の四半敷きです。風合いを出すため、二度焼きした平瓦を一枚一枚擦り合わせながら敷き込みました

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