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多くの制約の中でコンセプト通りの庫裏客殿が完成しました

曹洞宗 東光寺
住職/石田泰光 様
静岡県静岡市

今回の庫裏客殿建設は、平成27年9月の先代住職のご遷化がきっかけでした。

先代住職の本葬儀には多くの御寺院様方が参加の意思を表明していただき、客殿のない東光寺では受け入れが困難な状況でした。

寺役員会では先代住職がご遷化される1年程前から老朽化し手狭にもなった庫裏の建替えについての話し合いが行われており、突然の先代住職のご遷化は浄行成就を後押ししていただいているようにも感じられました。

先代住職の本葬儀を大祥忌(三回忌)までに行えるように、知り合いの御寺院様に信頼のおける設計事務所を紹介してほしいと相談したところ、菅野企画設計様を紹介していただきました。

設計から完成まで1年6か月程しか時間がない事、境内の桜の木を残す事など、経験豊富な菅野先生にもかなり難易度が高い工事だと言われました。それでも、住職が希望する伝統と利便性を兼ね揃えた「老若男女が集い、皆にやさしいお寺」というコンセプトを実現するような、多くのアイデアを提案してくださいました。

担当の前嶋先生には、限られた予算の中で寺側の多くの希望を寛容に聴いてもらい、コンセプト通りの素晴らしい設計、そして監理をしていただきました。

一階公共スペースには、檀信徒の皆様に広く親しみをもって使用してもらえるように51畳の大広間、葬儀や行事の際に受付としても使用できる開放感のある玄関ホール、男性用・女性用・多目的用に分かれた東司、シャワー室、配膳室も完備し、利便性に優れた設計になりました。また、庭園を一望できる丸窓やムク材を使用した廊下等、寺院らしい伝統的な趣のある純和風なデザインも取り入れてもらいました。

予定通り今年6月末に完成した庫裏客殿には、檀信徒の皆様からの公募で決まった「思親殿」という名称がつけられました。秋に行われる先代住職の本葬儀後も、檀信徒の皆様がご先祖様に対しての感謝、追慕のお気持ちと、集う方々が和合の精神をもてる道場として、仏事や交流を目的とした活動で、広く活用していただきたいと願っております。

大切に使わせていただきます。ありがとうございました。

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