完成ギャラリー

木造伽藍木造伽藍

真言宗山階派 満願寺分院 本堂・庫裡新築

2012年12月、満願寺の伽藍が火事で全焼しました。
「再建しようと思ったんですが、お寺は山の上にあったので、工事用の道路を造るところから始めなくてはいけませんでした」結局、住職の想いは叶わなかったそうです。

そこで、新たな境内地を求めて、分院の新築に踏み切られましたが・・・
計画はなかなか先に進まず、悩ましい時間が過ぎたそうです。

「藁をもすがる気持ちで、キーワード”寺院 現代 建築”でネット検索して、菅野さんを探し当てたんです」と副住職。

2023年1月にマスタープランをご依頼いただき、完成模型をお持ちすると・・・
「本当にできるんですね。夢みたいです」

そして、2025年4月!マスタープランの依頼から異例の速さで完成の日を迎えました。住職ご家族の満面の笑顔に、お力になれてよかったと心から思いました。
  • ■和歌山県和歌山市
  • ■施工/(株)アイチケン
  • ■木造2階建て
  • ■床面積/約481㎡
  • ■2025年4月竣工

ご住職に聞くお客様の声

  • 「街並みに馴染む外観にしてください」が住職のご希望でした。玄関はお寺らしい設え。妻壁には、菊と桐の御紋を嵌め込みました。
  • 屋根は寄棟屋根の陶器瓦葺き。1階にお寺の施設、2階に住宅を配置しました。周辺は区画の広い瀟洒な住宅地です。
  • 手前が内陣、奥が護摩堂で、外陣は京間の35帖の広さを確保。可動間仕切りで二部屋に仕切ることができます。
  • 内陣と外陣の境は、中央が虹梁と蟇股、両脇は筬欄間に菊と桐のレリーフで飾りました。
  • 内陣は京間の4間×5.5間の広さ。内陣と閻魔堂の上には2階を設けず、3.65mの天井高を確保しました。
  • 手前が護摩堂。外陣は京間の35帖で、カーペットタイル敷き。多目的に使えます。天井の高さは2.8mです。
  • 護摩堂と外陣の境は、障子で仕切れます。欄間にはオリジナルデザインの「炎と龍」を透かし彫りした杉の柾板を嵌め込みました。
  • 護摩堂は11帖の広さ。不動明王がにらみを利かしています。毎日、護摩修法をされるので、煤を前提に壁はグレー、格天井は黒に仕上げました。煤と匂いを外に出さない特殊な換気扇を設置しました。
  • 内陣の背面に位牌堂を配置しました。内陣と廊下から入れます。
  • 位牌堂は15帖の広さ。段板に鋼板を貼り、位牌の底にマグネットで、地震時に倒れない仕掛けを施しました。
  • 本堂と廊下を挟んで、6畳の二間続きの和室を配置。明るい光が差し込みます。
  • 和室の欄間には、オリジナルデザインの「菊」を透かし彫りした杉の柾板を嵌め込みました。
  • 護摩堂と外陣境、和室境の欄間の透かし彫りはオリジナル。絵様の原寸図を描きました。
  • 住職ご家族に愛知県まで足を運んでいただき、使用する良質な木材を確認してもらいました。
  • 強度の高い地盤に恵まれたので、現況地盤の上に鉄筋コンクリート造の頑丈な基礎を造りました。

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