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苦境の時、真っ先に浮んだ菅野先生の顔。誰もが笑顔で見上げる新たな本堂再建に感謝

真宗大谷派 善林寺
住職/奈波寛祥 様
岐阜県岐阜市

 平成27年5月22日、隣家からの失火による本堂全焼という事態に見舞われ、お寺にとっても私自身にとっても忘れられない一日となりました。 先代住職の時、会館の設計をお願いした菅野先生に連絡すると、すぐに駆けつけ、火災後の解体からすべてにおいて迅速に尽力してくださいました。

 突然のことに加え、予算の問題、工事用道路の問題、限られた敷地など、山積する諸事情に頭を抱えていたところ、「京都の路地に入り込んだような・・・」という言葉と共に一枚のイメージ図を提案されました。それまで考えていたものがあっという間に頭から消え「すべてお任せしよう」と、その世界に魅了されました。

 本堂は木造2階建て。施工は愛知県江南市の株式会社アイチケン様にお願いしました。

 格子戸越しにご本尊を拝むことができ、「仏様がとても身近に感じられるようになった」との声をよく聞くようになりました。その格子戸を開けると、ご本尊の阿弥陀様と共に、直径30cmの丸柱、虹梁に彫刻された寺紋の船が目に飛び込んできます。屋根の一部をガラス瓦にして、天井からの自然光でご本尊を照らすなどの配慮で、機能的な上にぬくもり溢れる本堂に生まれ変わりました。また、2階の書院、配膳室へ続く階段は、ご年配者でも上がりやすいように緩く、手作り感が優しいデザインです。

 落慶奉告法要の際、ご参勤のご住職方が「これからのお寺の型だね」と、随所にわたるまで写真撮影をしておられた姿が印象的でした。

 そして、ご門徒の皆様に自信をもって「大きな地震が来たらお寺に駆け込んでね」とお伝えできることが何より嬉しく思います。 ご門徒のご懇志の上に、経験豊富で信頼のおける設計、多くの職人の真摯なる作事への励みがあればこそ、この再建事業が現実となり新たな法座を開くことができました。

 細部に亘るまで根気よく適切なアドバイスで支え続けてくださった菅野先生、担当の前嶋様の存在がどれほど私自身の負担を軽減してくださったことでしょう。
 心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

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