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2023.10.31

伝統構造に有効な「限界耐力計算による耐震診断」の講習を受講(中村)

2023.10.31

Category: 耐震補強

先日、大阪府建築士会主催の
「既存木造住宅の耐震診断・改修講習会(限界耐力計算法)」を受講してきました。

限界耐力計算による”木造建築物の耐震診断法”を説明してもらう講習会です。

行政関係者や、建築の意匠・構造設計の技術者40名ほどが集まりました。

 

限界耐力計算法には・・・
筋かいや合板など、変形しにくい壁だけでなく
土壁や貫といった比較的やわからい構造も耐力として評価できる、という大きなメリットがあります。

つまり、この計算方法を使えば・・・
お寺や古民家など、伝統的な構造の耐震性能を正しく計算することができます。

 






講習会のテキスト、JSCA関西が監修する計算マニュアルは・・・
伝統的な木造建築に特有な構造である「土壁」や「貫」「差鴨居」などの耐力を
実験により検証し、限界耐力計算に落とし込むようになっているので、
計算の考え方や精度は、常にアップデートされていきます。

そのため、今回受講した講習は
近年のアップデートをまとめた、総集編のような内容でした。

 



△耐震調査の様子

弊社では、これまでに、限界耐力計算法を使って
20棟以上の寺院・古民家の耐震診断と耐震改修工事の設計を手掛けてきました(完成ギャラリー)。

寺院や古民家には、全く同じ構造のものはないので
水平構面の評価や、耐震要素の種類・配置・取り付け方などなど
毎度、なにかと頭を悩ませていますが・・・

今回の講習・テキストのおかげで、自分の頭の整理も進んだように思います。

また、新たな評価方法もいくつか紹介してもらったので・・・
さっそく実務に活かしていきたいと思います!

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