曹洞宗 龍登院 本堂・開山堂新築 2009年の夏、旧本堂の耐震診断を依頼されました。床下に潜って捜査すると、柱がスカスカ!腐朽菌に侵されていました。屋根裏に上ると、以前の茅葺きを瓦葺きへ改修した時の工事に少々難ありが発見されました。その結果を建設委員会にご報告すると…耐震改修から本堂新築へ、一気に機運が盛り上がりました。「彫刻や飾りはなくても良いから参拝者を優しく包み込むようなお堂にしてほしい」が住職と建設委員会のご希望でした。 ■静岡県掛川市 ■木造平屋建て■床面積/487平方メートル■2013年11月竣工 「秋篠寺のような本堂がいい」それが住職のご希望でした。 早速図面を手に入れ、現地調査。屋根勾配が緩く、優雅な軒を再現することを心がけて設計しました。 大玄関は破風に少しむくりを入れました。 開山堂は切妻のシンプルな屋根。腰にメンテナンスの容易なガルバリウム鋼板を張りました。 本堂は南向きで間口7.5間×奥行 7間、東西に各1間の廊下が回っています。堂内に間仕切りがないので、間口9.5間が連続しています。 柱は24㎝角、21㎝角の桧材、足固め、差し鴨居と天井鴨居で柱を固定し、頑強な軸組を造り上げています。 間口3.5間×2間の内陣。天井は折り上げ格天井。格縁は桧、鏡板は杉板、天井の高さは4.3mを確保しました。床は桧の縁甲板張り達磨大師、大権修利菩薩の花頭枠と欄間の卍崩しは、旧本堂の材を再利用しました。 位牌堂は本堂の北側、30畳敷きの両側に位牌が並び壮観です。檀家の年忌法要はここで行われます。 位牌堂の上段は開山堂。旧伽藍の丸柱、組み物、虹梁、格天井を再利用しました。 棟梁は中島工務店の加納さん。屋根の反り、軒の反りを原寸図で描き、検討しました。 お寺の皆様に見ていただく前に、何度も木材の検査を行いました。 住職と建設委員の皆様に岐阜県中津川市まで足を運んでもらい、木材をご覧いただきました。 上棟式は多くの随喜寺院と檀家が参集し盛大に行われました。写真は餅撒きの様子。あいにくの雨天になりましたが、境内は大きな歓声に包まれました。 太い松の丸太を使って、深い軒を支えています。 落慶法要は多くの随喜寺院と檀家の皆様が参集し、厳かに執り行われました。 ▲大きい写真にポインタをのせると白い矢印が出ます。クリックすると次の写真に移動できます。 ▲小さい写真をクリックすると、該当写真が拡大写真として表記されます。 一覧に戻る