完成ギャラリー

耐震補強耐震補強

高野山真言宗 遍照寺 本堂耐震改修

本堂は、関東大震災で倒れた前本堂(1790年建立)の古材を再利用して建てられ、その後、増築・改修・修繕を重ねながら大切に使われてきました。

耐震補強の設計は、壁を新設できる場所が限られ苦心しました。
法要を行うために開放性が求められた上に、内陣の壁一面には金箔が貼られていたのです。

そこで、格子壁を床下や内陣の外壁の屋外側に設置することにしました。
その結果、慣れ親しんだ外観をほとんど変えることなく耐震補強することができました。


 
  • ■横浜市
  • ■施工/松浦建設株式会社
  • ■木造平屋建て
  • ■床面積/158㎡(48坪)
  • ■2021年竣工
  • 全ての柱がなぜか向拝方向に倒れていました。外観を変えない耐震補強を考えました。
  • 外壁の漆喰は汚れていたものの、軒は美しい曲線を描いていました。
  • 窓のひとつを土壁の耐震壁に変え、外壁の漆喰を塗り替えました。
  • 本堂と廊下境は全て引き戸でした。
  • 本堂と廊下境に柱と格子壁を新設し、耐震補強。漆喰で仕上げました。
  • 耐震補強工事の前に常時微動測定を行いました。工事の後に再度測定し、補強の効果を確かめました。
  • 建て起こしを行い、柱の倒れを矯正しました。
  • 土壁がモルタルに改修されていました。モルタルを除去した上で小舞下地を補修しました。
  • 竹小舞下地に荒壁を塗りました。土壁の粘りで地震に耐える伝統構法です。
  • 荒壁の上に中塗り、その上を漆喰で仕上げました。
  • 本堂と廊下境の壁を撤去して、新たな柱と格子壁を新設。
  • 内陣は金箔貼りなので、外壁の外側に耐震壁を新設しました。
  • 桧の9cm角材を格子状に組んだ格子壁で補強しました。変形しながら地震に耐えます。
  • 床下を格子壁、制震ダンパーで補強。外観を変えないように配慮しました。
  • 格子壁に住職が寄付者の名前を書き込まれました。「皆さんに支えられているようで、安心します」

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