完成ギャラリー

耐震補強耐震補強

真宗大谷派 本光寺 本堂耐震改修

本光寺の本堂及び山門は、国の登録有形文化財と岡崎市の景観重要建造物に指定されています。その両伽藍の耐震改修の設計を依頼され、緊張して作業を始めました。

本堂は間口7.5間と両側2間の落間、計11.5間が瓦葺き入母屋屋根に覆われた大伽藍です。

設計に当たって、構造に関しては岐阜県立森林文化アカデミーの教授、意匠に関しては愛知工業大学の教授の意見をお聞きしました。

耐震補強は、土壁の粘りを耐震力に利用する伝統構法で設計しました。また、工事の前と後で、岐阜県立森林文化アカデミーの小原教授に常時微動測定を実施してもらい、補強の効果を実証することができました。

 
  • ■愛知県岡崎市
  • ■施工/株式会社アイチケン
  • ■木造平屋建て
  • ■床面積/約454㎡(137坪)
  • ■2020年6月竣工
  • 登録有形文化財、景観重要建造物に指定されているので、できるだけ外観を変えない補強を工夫しました。
  • 改修前の本堂は軒が波打ち、柱は鉄骨の方杖、三角プレートなどで補強されていました。
  • 夜景も魅力的になりました。
  • 傷みの激しかった南側の破風板、懸魚、木連格子は新しい材で造り直しました。
  • 広縁、落縁は腐ったり、ささくれたところ以外はできるだけ再利用し、新しい材も古色に仕上げました。
  • 柱の傾きを修正し、漆喰を塗り直しました。お荘厳も新たになりました。
  • 弊社スタッフ4名が2日がかりで現況調査を行いました。
  • 現況調査と耐震診断の結果を檀家説明会で丁寧に説明しました。3回の説明会は全て満席になりました。
  • 土葺き瓦を撤去しました。大量の土をトラックで運び出しました。
  • 古い野地板と野垂木を撤去し、新しい材で瓦下地を造り直しました。
  • 柱脚が腐っているところは、根継ぎをしました。腐っていた土台は新しい桧材に取り替えました。
  • 壁は、土壁と同等の耐震力を発揮する荒壁パネルで補強、柱と梁は耐震リングで補強。天井裏や床下など、目につかないところでの補強を工夫しました。
  • 本堂裏の壁に地震時の力が流れるように、天井裏に火打ち梁を設けました。水平剛性を高める補強も重要です。
  • 屋根瓦は土葺きからビス止めに変えました。屋根の軽量化も耐震力の向上に役立ちます。
  • 岐阜県立森林文化アカデミーの小原教授に常時微動測定を実施してもらい、補強の効果を実証してもらいました。

大きい写真にポインタをのせると白い矢印が出ます。クリックすると次の写真に移動できます。

小さい写真をクリックすると、該当写真が拡大写真として表記されます。

一覧に戻る