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2019.5.21

愛知県岡崎市の羽根稲荷神社、さすが三州瓦の産地!拝殿改修(前嶋)

2019.5.21

Category: 神社

愛知県岡崎市の羽根稲荷神社の拝殿改修工事が完了しました。
 
岡崎市を含む三河地域一帯は、日本三大瓦の一つ『三州瓦』の産地ということもあり・・・
昔から、腕のいい瓦葺き職人を多く輩出し、市民の中にも瓦へのこだわりが強い人の多い地域です。

 



こういう地域では見栄えの良さ、耐久力の向上を求めて、独特の工夫がみられるものです。

羽根稲荷神社でも、瓦どうしの重ね代が大きな「両2寸」で葺かれていました。

地震よりも台風への警戒が強かった時代には、建物が吹き飛ばされないように屋根を重くしたり、雨漏りを防ぐ工夫を職人たちが競ったのです。


 しかし、今回の改修工事では、一般的な重ね代で瓦を葺き替えました。

屋根をできるだけ軽くして、耐震力の向上を計るためです。

下地に防水シートを張り、瓦をビスで固定すれば、台風による被害は避けられます。

「歴史を重ねた建物は、元の姿を変えるべきではない!」という意見もよく耳にしますが・・・
耐震力の向上は、建物の長持ちにつながります。

何を残すべきか?は、建物ごとに検討する必要があります。




写真は羽根稲荷神社拝殿の棟から下した大鬼です。

経の巻と呼ばれるスタイルの鬼ですが・・・
両脚には自由奔放に渦巻く雲が彫り出され、彫り、意匠ともになかなかの逸品です。

再利用も検討しましたが、劣化が激しく、それはかないませんでした。

「立派だったから残したかったんだが・・・」
と残念がる総代。


この大鬼は、改修の記念碑として境内に飾ることになりました。
 

しかし、三河地方には鬼瓦を制作する腕のいい「鬼師」がまだまだ多くいるので、心配はいりません。

同じようなデザインの鬼瓦を新しく制作してもらいました。

「瓦屋さんが何度も熨斗を積みなおして・・・気に入るまで葺き直していたよ」
建設委員の皆さんは、瓦葺き作業の様子を興味深々でご覧になっていたようです。

こんなところにも、瓦の産地ならではを感じます。



△改修前


△改修後

 

この後、二期工事の「渡殿の改修工事」が始まります。

5月末から工事を再開して、秋祭りまでには完了する予定なので・・・

お祭りには、新しくなった姿を市民の皆様にお披露目できると思います。お楽しみに。

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