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2019.5.14

滋賀県長浜市の真宗大谷派 明楽寺の巨大本堂耐震改修工事が開始(東松)

2019.5.14

Category: 耐震補強

滋賀県長浜市の真宗大谷派 明楽寺の本堂耐震改修工事が始まります。

「消費税が10%に上がる前に・・・」というご希望を叶えるため、
3月末までの工事契約が必要でしたが・・・
6社による競争見積もりの結果、滋賀県甲賀市に本社を構える(株)片岡工務店に、施工を一任することが決まりました。

弊社とは初めての仕事になりますが、社寺建築の実績が豊富な建設会社です。




本堂は築300年と伝えられています。
ケヤキ造りの巨大な伽藍で、広さは幅26m×奥行25.3mに及びます。

外観も壮大で・・・
正面は間口9間、81畳の外陣と矢来内27畳を壁で囲い、両側にケヤキ板敷きの幅1.5間の広縁と、1間の落縁が広がっています。

そして・・・
その全てが瓦葺き入母屋造りの屋根で覆われています。大棟には1m以上熨斗が詰まれ、鬼瓦も巨大です。




耐震補強の設計は、土壁や虹梁、差し鴨居など伝統的な架構を耐震力として評価する、限界耐力計算に基づき進めました。

300年に渡って親しまれてきた佇まいをできるだけ変えないように、補強方法や補強位置にも配慮しました。

外観の見栄えを損なわないため・・・
耐震壁は、できるだけ床下と小屋裏に配置し、垂れ壁には違和感のない格子壁を採用しました。

その他・・・
床下・小屋裏など目立たない場所に、180個以上の耐震リングを取付けます。その位置については、一か所一か所現地で確認し、万全を期しています。

尚、弊社の行った限界耐力計算の結果については、一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JASCA)関西にも確認してもらいました。
 



耐震補強工事に先立ち、岐阜県立森林文化アカデミー 小原教授にお願いして、常時微動の測定を行いました。

補強前と後に常時微動測定を行うことで、建物の弾性剛性と最大耐力、降伏変位の向上が数値で確認できます。

測定は、小屋裏にセンサーをセットして行いました。耐震補強工事の完了後にも再度測定します。

 

本格的な改修工事は、本堂内の仏具を移動した後、5月中旬以降になる予定ですが・・・
4月末から、工事用の進入路の整備などの工事準備が既に始まっています。


この地域は豪雪地域なので・・・
11月までに瓦の葺き替えを行い、来年3月までに耐震補強工事を完了する予定です。

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