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2019.6.18

静岡県磐田市のお寺、築60年木造平屋建て客殿の耐震調査(伊藤絵)

2019.6.18

Category: 耐震補強

静岡県磐田市の臨済宗寺院から、客殿の耐震診断を依頼されました。

客殿とは、参拝者を接待する施設です。昭和35年頃に建てられた築60年の木造平屋建て、屋根は入母屋造り瓦葺き、趣ある建物です。
境内の背後には、山が迫っています。

小雨の降る中、伊藤をリーダーに植松と3人で調査を行いました!


調査に先立って、「J-SHIS地震ハザードステーション」で地盤について調べました。
すると・・・



お寺は「水色」の範囲に入っています。
これは「地盤増幅率0.9~1.0」であることを示しており、さらに詳細なデータを見ると「第1種地盤」に分類されることがわかりました。

地盤種別は、建築基準法の告示で以下の3つに分類されています。
第1種地盤・・・岩盤、硬質砂礫層からなる良好な地盤
第2種地盤・・・第1種地盤、第3種地盤のいずれにも属さない地盤
第3種地盤・・・腐植土、泥土などからなる軟弱な地盤

地盤種別によって耐震診断の計算結果が大きく変わるので、地盤情報は重要です。


さて、いよいよ現地調査です。

小屋裏担当はリーダー伊藤。
小屋裏の調査では梁・桁や小屋組みの構造、材の大きさの計測、劣化状況をチェックします。




△小屋裏で奮闘中のリーダー伊藤。

下の写真のように、室内からは耐震壁に見えた「土壁」の上部に梁がない!こともあります。

こういう壁を耐震壁として計算すると、間違った耐震診断結果になってしまうので・・・
埃まみれになる作業ではありますが、小屋裏の調査を避けることはできません。




△「土壁」の上部に梁がない!

床下はサブリーダー植松の担当です。




△床下にもぐり、調査するサブリーダー植松

床下では、礎石の位置や根固めの有無と大きさの他に、柱の腐食や蟻害なども調査します。

「床がぶわぶわする」ときは・・・
床を支える「根太」や「束」のピッチが荒かったり、床板がうすい!だけでなく、
柱や根太・大引きが腐食したり蟻害にあっていることも少なくありません。

しっかりと目視で確認し、記録することが必要です。


地上担当は私です。



△建物の断面図を描くために室内と室外を行ったり来たり、情報を集めます

地上担当は・・・
建物の間取りや桁の高さ・軒の出などを計測し、平面図と断面図を作成します。
その後、柱の倒れや床の不陸を計測し、記録に残します。


1日がかりで調査を行い・・・
事務所に戻って調査結果を図面化し、それをもとに構造計算を行います。
その結果に基づき、耐震診断報告書を作成。

弊社では、耐震診断の結果を踏まえた大まかな補強案もご提示します。
そのため、報告書の提出は調査から約1ヶ月後になります。

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