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2019.5.28

名古屋市の浄土宗西山禅林寺派 東宝寺建替え。いよいよ本堂新築(伊藤知)

2019.5.28

Category: 本堂新築

名古屋市の浄土宗西山禅林寺派 東宝寺様の全伽藍建替え工事が進行中です。

施工は、石川県能美市に本社を構える松浦建設株式会社にお願いしています。



木造2階建ての客殿・庫裡棟がおおむね完成し、5月末から、
いよいよ本堂の工事がはじまります。


新しい本堂は、間口7間×奥行6間の木造平屋建てで、床面積は約310㎡。

先日、既存本堂の解体が完了し、新本堂の位置出しを行いました。

本堂は、室町時代に建てられた由緒ある建物でしたが、老朽化と耐震力不足から、建替えることになりました。

長い間お寺を見守ってきた、高さ20m以上のクスノキを残し、それを取り囲むように本堂、客殿・庫裡を配置します。
 



完成した客殿・庫裡棟の床面積は約499㎡。送迎の車が横付け可能な、広々とした大玄関が特徴です。

お施餓鬼の際、大勢の参拝者が訪れますが・・・「以前は、雨が降ると玄関が込み合って、本当に大変でした。十分な雨宿りスペースができたので、これなら安心です」と住職。

写真手前の縦格子の建物は、鉄筋コンクリート造です。実は、
木造の本堂と客殿の間に耐火構造の建物を挿入し、防火的な区画をすれば建築が可能になりました。


境内は準防火地域に指定されているので・・・
建築基準法の規定で、500㎡以上の木造建築を建てることができません。
そのため、木造本堂を諦めた名古屋市内のお寺も多かったはずです。

しかし最近は、木造建築に対する多くの規制緩和が実施されています。




7月初旬の本堂建て方に向けて、現在、大工たちが木材の刻み加工を進めています。

本堂内部は、径36cmのケヤキの丸柱、虹梁、蟇股と豪壮なしつらえになります。

先日、菅野と松浦建設の本社工場を訪ね
、木材加工をチェックしました。

これまで何度も工場を訪ね、打合せを重ねてきましたが、今回は最終確認です。

社長、現場監督、棟梁と一緒に、柱や梁・茅負・化粧垂木の形状・仕口・継ぎ手の加工をひとつひとつチェック。破風や蟇股、木鼻の彫刻の仕上りを確認していきました。

 



東宝寺の境内には、旧桜村の農民と役人の協力により生活を危機を乗り越え、村を発展させたという伝承が石碑として残っています。

この伝承から虹梁の彫刻を「絆」と決め、菅野がオリジナルで絵様をデザインしました。


大工や彫刻家の丁寧で誠実な仕事ぶりに触れ、とても頼もしく、うれしく思いました。

現場ではこれから基礎工事。気を引き締め、しっかり現場監理を進めます。

   

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