令和元年に老朽化し手狭となった本堂と山門の新築に向けて寺役員会で話がまとまり、平成２９年に客殿建設の設計監理を担当して頂いた菅野企画設計様に今回も設計監理をお願いする事になりました。

限られた境内地に旧本堂より広い木造本堂を建てたいという寺側の思いに応え、当山の境内地の実情を把握してくださっている菅野さんは、マスタープランの段階から様々なアイデアを提案してくださいました。
最も斬新だったのは二段の屋根にすることで軒下も使えるようにし、広い本堂を実現してくださった事です。落慶した本堂を見上げた時、入母屋造りの大屋根に下屋根が二重にデザインされた本堂の外観は荘厳で美しく後世に誇れる建物だと確信致しました。

また、足の不自由な方でもお参りができるようにスロープを設置したいという住職の思いに応えて、こちらも限られたスペースを有効に活用し、客殿の出入口と向拝に車椅子でも行き来できるスロープを本堂にぴったり隣接するようにデザインしてくださいました。

施工を担当して頂いた掛川市の宮大工、飛鳥工務店様も菅野さんに紹介して頂きました。親方をはじめ大工衆の真摯に建設に向き合う姿勢は、コロナ禍の物価上昇の世情と、落慶晋山式の開催日が決まっていた難しい状況を乗り越えてくださいました。

令和５年４月１６日。完成したばかりの山門を通り入山した新命和尚が、真新しい本堂で晋山式、引き続いての落慶式を勤行する事ができました。まさしくコロナ禍の難しい状況下で、今回の本堂・山門の新築工事が行えたのも菅野企画設計様の経験豊かな状況判断と豊富な人脈のおかげです。

当山においては４年前の客殿「思親殿」の建立も含め、計画から１０年間に及んだ「これからの東光寺」事業の無事円成を意味致します。
長きに亘り設計管理に関わって頂き有難うございました。これからもよろしくお願い申し上げます。