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2020.11.3

静岡県沼津市の法華宗 光長寺西之坊の本堂新築、彫刻はオンリーワンのデザインで(川島)

2020.11.3

Category: 本堂新築

静岡県沼津市の法華宗 大本山光長寺塔頭 西之坊で、本堂の新築工事が進んでいます。

本堂は木造で、間口6.5間×奥行7間、屋根は伝統的な流れ向拝付の入母屋造りです。

木造本堂は、構造材に彫刻を施すことが多いので・・・
木材の加工が始まる前に彫刻の図柄を決め、原寸図を描く必要があります。



△木材加工の様子(海老虹梁)
 彫刻はひとつひとつ手彫り。その図柄もまた原寸大でひとつひとつ描きます。



まずは、向拝回りの虹梁(こうりょう)、海老虹梁(えびこうりょう)、蟇股(かえるまた)、手挟(たばさみ)の原寸図に取りかかりました。




 

菅野企画設計では、彫刻の図柄をお寺ごとにデザインし、原寸図を描きます。

その手順は…

①実物と同じ大きさに設計図を拡大して出力します。
 原寸図は数メートルに及ぶことがあるので、A2で出力した紙を何枚も貼り合わせます。
 ↓
②所長の菅野が図柄を発案し、鉛筆で描きます。



△担当の伊藤チームに図柄のコンセプトを説明しているところ

西之坊の場合は…
「旧本堂向拝の虹梁の唐草彫刻は、渦のように見える図柄だった。新本堂にもそれを取り入れて、より波や渦を強く連想させるデザインにしてみたけど・・・どう思う?」と菅野。

「特徴的な図柄ですし、光長寺は海に近いので面白いと思います!」
 ↓
③住職にアイデアを説明し了解をもらったので、下絵の鉛筆線を油性ペンで清書しました。



△入社1年目の野口は、“手挟“を担当。
 図柄だけでなく、彫り上りをイメージしながら、清書していきます。



④所長菅野が最終チェック。
 不自然な線や柄を手直しして、原寸図の完成です。

 

菅野から図柄のコンセプトが波や渦と聞いた時、

沼津は富士のお膝元という土地柄から、富岳百景の波頭が思い浮かびました。
「葛飾北斎の波はどうですか?」と冗談っぽく伝えると・・・



△連続する波模様が、北斎の波にみえませんか?

少しだけ波頭を描き加えてくれました。

住職にお見せして気に入って頂ければ、棟梁に渡し、木材の荒取りと刻みに入ります!

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