鉄骨造の耐震強度

建築基準法では、ある規模以上の建物においては、各階、各方向ごとで保有水平耐力が必要保有水平耐力を上回っているかを確認し、ひとつの階でも満足しないものがあってはならないと定められています。

保有水平耐力とは何か――

地震動によって建物に生じる力は時々刻々変化するため、その強さを一義的に定義することができません。そこで約束事を設け、ある仮定のもとに得られる柱・壁・筋かいの水平せん断力の和を保有水平耐力としています。

一義的に定義することができないとは――

それは、地震時に地盤が揺れて、その振動が建物に伝わり揺れる時(応答時)にはたらく慣性力を、静的な作用力(油圧ジャッキでぐっと押すような力)として考えると多くの矛盾があり、建物の動特性あるいは応答の特徴を考慮する必要があるということです。

建物の動特性とは何なのか――

いろいろな固有周期と減衰比に対して応答をあらかじめ求めておけば、建物の固有周期と減衰比の関係を調べれば揺れ方がわかります。そして、設計地震動は加速度応答スペクトルとして与えられています。また、部材の塑性変形能力が高いほど減衰性が大きくなり、減衰が大きいと応答値は小さくなります。

現在の鉄骨建物の設計は、地震時の弾塑性挙動(減衰性・靭性)に伴うエネルギー吸収能力を詳細に評価し、地震入力エネルギーより大きくすることにより大地震に対する安全性を確保しようとするものです。つまり、じわじわと進む変形に対して、変形性能を高めた強靭な柱はりで、地震動の揺れを支えようということです。(倒壊しなければ地震入力エネルギーを吸収し続けます)



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