一口に「古民家」と言っても、昔の住居なのでその形状は、地域や住んでいた人の身分などによって実に様々です。

先日訪れた、徳島県美馬市の脇町では、江戸時代から明治時代にかけて藍の集散地として商業が栄えたことから、当時の豪商たちの住宅が今も残され、素晴らしい町並みが作られていました。本瓦葺の大きな屋根、厚く塗られた白壁、町並みの名称にもなっている「うだつ(卯建)」、虫籠窓(むしこまど)、格子窓が特徴的な古民家が軒を連ねていました。

実際に行ってみると、時代を超えた町を歩いているという感じがしましたが、今もそこで生活をしています。どうしたら現代の生活をしながらもこの素晴らしい町並みが残されているのか、残したい町並みや建物とはどういうものなのか、考えながら歩きました。


▲これが、「うだつ」です。

▲格子窓。

▲虫籠窓。


帰ってから美馬市のホームページなどで調べてみると、脇町では1984年に、当時の町長や地域の学校の校長などが中心となり「脇町の文化を進める会」を発足させ、様々な文化活動を通して町民を啓発、意識の高揚に努めた結果、地元では全戸が参加して保存会を結成し、一致団結して町並み保存と修復に努めていったのだそうです。国から伝統的建造物群保存地区にも指定され、現在でも様々な活動が続けられており、豪商の民家を残すために改修したり、住民が有志で町並み見学者の案内をするなどのボランティア活動をしたりしているそうです。

こうした住民たちの努力によって、素晴らしい町並みが今も受け継がれていることを知りました。住民の全員が一つになって「自分たちの町を残したいと」思っていることが、力の源になっているのではないかと思います。これから住宅の設計をしていく私は、住む人やその子供や孫の世代まで、残したいと思ってもらえるものを建てたいという目標ができました。

>>>美馬市HP http://www.city.mima.lg.jp/4/64/000251.html