築70年、おじいさんが建てた思い入れのある家・・・。当初は古民家再生を考えていましたが、平屋建てを2階建てにするための構造上の不安、工事金額を考慮し古材を生かした新築へと変更しました。
今回の工事では太い大黒柱、中黒柱、玄関ホールに使われていた指し鴨居を再利用する計画です。

解体工事で発覚しました!!
差し鴨居の一本の仕口が金物で補強してあります。そして、その金物を通す為に、大黒柱に大きな穴が開いています。
おそらく、70年前、建築時に加工を間違えてた為、やむなく金物で補強したのではないでしょうか?

このお宅では、差し鴨居は、「四方差し」という工法で柱と接合していました。
「四方差し」は、柱の四方から貫(ぬき)を差し通して金物を使わないで固める工法で、以下の写真のように、部材ごとに複雑な加工します。

▲仕口の加工

▲四方差し

御家族が
「おじいさんが残してくれた材料を再利用したい。」
と、おっしゃる気持ちはとてもよく分かりますが、大きな穴の開いた断面欠損の大きい大黒柱と、金物で補強された差し鴨居を再利用するのは構造的に不安が残ります。
そこで、監督さんとも相談し、差し鴨居は間違った加工がされていない2本を再利用し、大黒柱は新設に、おじいさんが残してくれた柱は、家具に加工して再利用してはどうだろう?
お客様に工務店の倉庫に保管してある古材の状態を見ていただき、その旨を御説明しました。

▲保管してある古材

お客様の弟さんから、
「大黒柱は家の真ん中にないと意味がない。玄関ホールに大黒柱と中黒柱を立てて鳥居みたいにしてはどうか?」
など、面白い意見がでましたが、
「それは面白いですが、邪魔に・・・」
みんなで頭を悩ませ、リビングの中央に装飾として再利用することにしました。
「どういう雰囲気になるのかなぁ?邪魔にならないかなぁ?」
という言葉にパースを描いてお見せし、納得していただけました。

▲イメージパース