「築50年の家をリフォームしたいんですが……」中年のご夫婦が来社されました。先ずは、女性スタッフが、今まで弊社で手がけたリフォームをプロジェクターで見ていただきました。そして……「一度、自宅を見てもらえませんか」
早速スタッフを連れて、ご自宅に伺いました。
一回り家の中を見せてもらい……
「構造的にしっかりしているので、耐震補強すれば安心安全な家になりますが……現在は柱が石の上に乗っているだけなので、基礎を新しく造る必要があります。でも、そうなると、水周りのリフォームも含めて1000万円は、とても無理です」
「そうですか……」
実は、来社されたとき、1000万円程度でリフォームしたいとお話になっていたのです。「でも、この家は計画道路に引っかかっていて……その道路ももう近くまで拡幅されてきたんですよ。もし、基礎を造った後に道路拡幅の話が始まったら……だからと言って、自主的に曳き家をしたら、その費用を自腹で払わなければならない……それはちょっともったいないと思うのですがねぇ」
全く、おっしゃるとおりです。曳き家をするとなると、最低でも300万円以上は必要だと思われます。それに裏には離れが建っているので、その建物はどうするのか?いろいろな問題が同時に発生しそうです。
「先ず、基礎を造らない補強をして、道路拡張が始まったら保証金で曳き家をする……そんなことはできませんか?」
「なるほど、おっしゃることはよくわかります。一度よく考えてさせてください」
実は、“愛知県建築物耐震対策推進協議会”が発行している“木造住宅耐震改修マニュアル”には、“礎石式柱脚”の下にべた基礎を造る方法が示されています。耐久性を考えると少し疑問が残る方法なので、今までは採用しませんでしたが、今回は真剣に考えてみる必要がありそうです。
愛知県建築物地震対策推進協議会「愛知県木造住宅耐震改修マニュアル」
執筆:所長 菅野