▲ちょっと珍しい、たて格子の舞良戸

▲潜り戸付きの玄関大戸

▲歴史を刻んでいい味を出している千本格子の障子
古民家の魅力のひとつに、無垢材で作った建具があります。

知っていますか?節がなくて、木目がきれいで癖の無いところ、つまり木材の一番いいところを建具に使うということ。しかも、よくよく乾かして……。

最近、開き戸にしても引き戸にしても、表面に合板を張った建具が一般的です。ハウスメーカーの家の建具に至っては、木目柄の紙が張ってあります。「本物と見分けがつきませんよ!」なんて、自慢されると、かえって寂しくなってしまうのは私だけでしょうか。


▲中央が通風できるようになっている板戸
それはさておき、古民家で使ってある建具には、当然ですが合板は使ってありません。柾目のヒノキを使った千本格子、美しい杢目を生かした杉の板戸、味のあるガラスを使ったガラス戸……どれもこれも芸術品です。中には、框や桟に漆を塗ったような手の込んだものもあります。きっと建具は贅沢品で、家主の自慢だったんでしょうね。

そんな美的センス、指物師の腕を鑑賞できるのも古民家ならではの楽しみです。

古民家の調査では、必ず建具の写真を撮り、記録に残します。そして、リフォームの間取りを考える場合、できるだけリユースが可能になるように配慮します。こんな素晴らしい建具を捨てるのは「もったいない」からです。幸いにして、古い家の指し鴨居の内法と、柱と柱の間の寸法は統一されているので、建具の使い回しが可能です。ただ、鴨居の内法5尺8寸(約1m76cm)は、現代人には少し低めですが……。