本当に蛍光灯はエコ電球なのか?
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     昨今のエコロジーブームで、照明の電球を、白熱灯から蛍光灯へ変えようという動きがあります。

     消費電力が少なくて同じ明るさを得られる蛍光灯の方が省エネであるという観点から、そういった

     動きが益々進んでおり、経済産業相から「4年後の2012年までに、白熱電球(白熱灯)の国内製造・

     販売を中止し、電球形蛍光灯への全面切り替えを完了させる」との方針も表明しました。


     これが本当にエコに貢献するならいいのですが、私は以前からこの考えに少し疑問を持っていました。

     なぜなら、蛍光灯は点灯時点での電球に対する負荷が高いため、点滅回数が多くなるとランプの寿命

     を短くしてしまうからです。

     だから、点滅回数の多いトイレや洗面、内玄関等は白熱灯の方が適しているんじゃないかなと思って

     いました。


     まず、一般的にいわれている蛍光灯のメリットを単純に列挙すると、

     ・消費電力が白熱灯の1/5

     ・ 電気代も白熱灯の2割程度

     ・ 寿命も白熱灯の10倍

     すばらしいメリットがつまっていてまさに省エネ電球。

     ただし、この寿命の部分に注目。

     先に述べた点滅回数における寿命の低減が無視されてしまっています。


     この疑問をうまく数字で表している資料はないかと調べますと、 ありました。

     さすが、こんな疑問を思う人は他にもいるのですね。


     以下は、財団法人「省エネルギーーセンター」という天下り団体が出している資料です。  


                                    財団法人「省エネルギーーセンター」HPより掲出


     蛍光ランプでトイレでの寿命がとても短いのが判ると思います。

     ここに、点滅回数が反映されているのです。

     蛍光灯はランプ始動時にエミッターの消耗が激しいので、1回の点灯で30分〜1時間30分寿命が短くなる

     からです。

     点滅回数の多いトイレは、必然的に器具の使用可能年数が少なくなってしまうのです。



     この算定基準を元に電球代と電気代を計算したのが次の表です。


                                    財団法人「省エネルギーーセンター」HPより掲出


     こう見ると、トイレのように点滅回数が多い場所では白熱電球の方が経済的であることがわかります。


     私の疑問は間違いなかったと確信しました。やはり目に付くメリットばかりを気にするのではなく、トータルな

     指標で考えなければいけませんね。エコロジーな活動というのは、そういったトータルコントロールがとても

     大切だと思います。エコロジーという観点は、自然や生態系を相手にする考え方だから、トータルコントロール

     でエコロージーを考えなければ意味がありません。


     電球で言えばさらに、これに電球を作ったり、輸送するのに排出されるCO2量や、その他の環境負荷なども

     考えなければならないところですが、そういったところは専門家にゆだねるとして、 建築家としましては、

     一筋縄に蛍光灯一色という照明の選択方式を見直さないといけないと思います。

     私の理想は、点滅回数が多い場所では、LED照明を使用するのがいいのではないかと思います。

     イニシャルコストが高いのがネックですが、消費電力も少なく、50000時間の長寿命であり、点滅による低減

     もないので、白熱灯を使用するのにふさわしかった場所に使用したいものです。

     最近は、高額であったLEDランプもかなり安くなってきたみたいです。シャープは7月から一般家庭用LED

     ランプを他社の半額程度で発売するそうです。だんだん普及してきたLED照明ですが、蛍光灯とうまく使い

     分けてエコロジーに貢献できるといいですね。



                                                        執筆:野村 建太

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