中学3年生からインタビューを受ける!


   12年前に住宅を設計させてもらったお客様の次男が事務所を訪ねてきました。

   「息子が通う学校から、自分が興味を持っている職業の社会人にインタビューをするという課題が

   でたらしいんですよ。息子は建物のデザインに興味があると言っているんですが・・・菅野さん、

   インタビューに答えてやってくれませんか」数日前、お客様からこんな電話があったのです。

   事務所を訪ねてきた息子さんは早速ボイスレコーダーを机の上に置いて・・・

   「建築家になろうと思った動機を教えてください」と始めました。急にそんな話を聞かれても・・・

   と思いながらも、しどろもどろ質問に答えました。


   その内容を少し紹介します。

   「建築家にとって一番困ることは何ですか?」

   「コストコントロールかな。僕たち設計士は工事をする立場じゃないから、正確な工事費はわからない。

   でも、お客様の予算の中で建物を造る必要がある。膨大な情報を設計図に盛り込むわけだけど、はたして

   その工事は予算内でできるのか?それが悩みの種だ。一応設計士なりの見積りをするんだけど、その通り

   の見積りを工事会社がしてくれるわけじゃない。その問題が一番困る」


   「建築家として心がけていることはなんですか?」

   「お客様の価値観でデザインすること。例えば、君の常識は僕の常識

   じゃない。だから、先ずお客様の価値観を知ること。でも、家を設計

   する場合、君のお父さんが居心地いいと思うことを必ずしもお母さん

   はそう思わない。家族でも感覚が違っている。しかし設計士はいろい

   ろな引き出しを持っていて、両方が満足する解決策を提案できなけれ

   ばならない。そういえば、ワンパターンのデザインで造り続けている

   設計士がいるよね?僕はそういうデザイナーにはなりたくない。設計

   士はヒューマニストにしかできないと思っているし、そう心がけている」

お客様の価値観でデザイン
することを心がけています

   最後に・・・

   「ところで、君はどんなデザインの建物が好きなの?」

   「真っ白ですっきりした箱のような建物です」

   「それは、おじさんが設計している建物とはえらく違うぞ!はははは。まあいいや。君の家は居心地いい

   かね?」

   「はい」

   少年は爽やかに事務所を去って行きました。将来が楽しみです。


                                                          所長 菅野


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