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どうしても、職人さんは営業面でのハンディが大きく、良い腕を持っていてもなか なか仕事が取れないのが現状。そのため、奥土居さんが営業活動をして仲間の彫師 さんも交えて仕事をすることも。作業所を訪ねたときも仲間の彫師さんが手伝いを している最中でした。みなさん、奥土居さんも絶賛するスゴ腕の持ち主。 欄間彫刻で有名な井波で修行を重ねた野々村さん。丁稚奉公のタタキ上げで腕を鍛 えた横関さん。 自分の仕事のかたわら、奥土居さんの仕事もお手伝いしているそうです。
奥土居さんは、一般的な彫師さんが修行する過程とは一味違った形で彫の技を習得 されました。もともとは木型職人だったそうです。 しかし、木型の仕事が衰退し、転職を余儀なくされ、知り合いの縫製業者のところ でテキスタイルデザインをすることに。そこで営業までもされていたそうです。 そんなとき矢野欄間の親方と知り合い、誘われるままに修行をすることに。基礎は 身についていたけれど、そのとき30歳を過ぎていたということで大変不安を感じて いたそうです。しかし、木を彫ることはおてのもので、テキスタイルデザインで培 ったデザイン能力を生かすには欄間彫刻はうってつけの仕事。頭角をメキメキ現し、 雇われるだけの器ではなくなったそうです。 「余分に仕事をするから、その分給料を上げてくれという人がいますが、それはお かしい。人並み以上に仕事をして、社長が給料を上げずにはいられないほどになっ て給料を上げてもらうなら判る。僕はそういった心がけで仕事をしてきました。 でも給料はなかなかあがりませんでしたけどね(笑)。」 文句を言うぐらいなら自分でやるという方針で、結果的に独立。営業センスもあり、 デザイン能力もあり、腕もある。と、なかなかここまで才能が備わった職人さんも 数少ないのですが、なるほど、ここまでになるにはそれなりのドラマがあるんだな と話を聞きながら思いました。 私共の事務所とは2回ほど仕事を一緒にやっているのですが、彫りも深くとても立体 的な彫刻を施してくれます。私達が望んだこと以上の仕事をしてくださり、とても 頼もしい彫刻師さんです。
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