2004年1月〜3月 〜11月 2005年2月〜3月 その後
耐震診断 耐震設計 補強工事 取材・報道

2004年1月6日

 ことの発端は、虎渓山永保寺庫裡を設計するに当たり瑞龍寺を参考に見学させてもらった時。

 「この寺は、瓦が載ってる割に柱が細い気がするんだがねぇ。壁も少ないようだし、一度耐震診断とやらをやって

 もらえんかね」と住職。


 瑞龍寺は妙心寺派の僧堂です。

 現在の伽藍は、木造で平成4年末に完成しました。

 確かに住職の言葉通り、本瓦葺きなのに、南面にはほとんど壁がありません。

2月17日



弊社スタッフが、本堂・庫裡の現況を調査しました。

その結果、一部床が下がっているものの、構造的問題になるような

不具合はありませんでした。


 先づ、『木造住宅の耐震精密診断と補強方法』国土交通省住宅局監修、

 (財)日本建築防災協会・(社)日本建築士会連合会編集に準拠した方法

 で耐震診断を行ないました。

3月5日


耐震診断を行なう建築士がスタッフを連れて現地調査をしました。

現伽藍の施工を担当した(株)小島建設も立ち合い、屋根裏にも

登りました。

3月13日


 「耐震精密診断報告書」が送られてきました。

  総合評点は1.0を満点として、本堂:0.15,庫裡:0.29,禅堂:0.16  という惨たんたる結果でした。

  ただ総合評定には、



  総合評定では、0.7未満で「倒壊又は大破壊の危険があります」との結果であるが、

  本建物は伝統工法型木造建築であり、本診断では評価しきれない余力があるので、

  その余力も考慮すれば評点はもう少し高くなる。

  しかし、耐震性能を満足させるためには、別途詳細な補強計算を行い補強計画を立てる必要がある。


  というコメントがついていました。


3月18日

 「耐震精密診断報告書」を住職にお渡ししました。

 説明を聞きながら途方にくれる住職。

 「どうすればいいの?地震が来て潰れちゃったんじゃ、とても申し訳ないが…」

 住職の気持ちは分かるのですが、この診断方法に基づく限り補強はとても大掛

 かりになってしまいます。

 建物を造り直す方が安く済むということにもなりかねません。

 全く、暗たんとした気持ちになった菅野。



6月11日

 そこで、伝統工法の良さを生かす限界耐力計算による耐震補強を検討すること

 にしました。ついては、この方法の研究、普及に尽力している大阪在住の野島

 千里さんに相談しました。


 「何しろ、どんなお寺か見てみないと・・・」現地へ足を運んでくれました。

 瑞龍寺の前に立ち、「大きなお寺ですねぇ!!」



菅野が自分の考えをお話しすると、

「そうか、分かった。瑞龍寺により適したいい方法が見つかった

わけだ。 よかった、よかった」と住職。

10月中には、補強工事の見積りを出すことになりました。
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