建物を移築する場合でも建築確認申請が必要



木造平屋建ての納骨堂スケッチ

奈良県で納骨堂を造ります。
設計が終わり、工事会社に見積もりを依頼するとほぼ同時に、建築確認申請を役所に提出。伽藍が特別なものなら確認申請が下りるまでに時間がかかりますが、今回は床面積35坪程度の木造平屋建てなので、このぐらいのタイミングでもかまいません。


建築確認申請も下りて、一安心していると・・・・ 「収蔵庫を撤去しようと思ったんですが・・・もったいないので移築してもらえませんか」


曳き家する先は同じ境内で、直線距離15m程度のところです。

「じゃあ、追加して建築確認申請を出す必要がありますねえ」「たった6坪の平屋建てですよ!?」
「ジャッキで浮かして移動するだけですから、手続きは難しくないと思います」
「工事が遅れるから、完成後に何とか。先ずは仮置きだと言えばいいでしょ?」
「いや、工事完了検査で余計に面倒くさいことになると思います。今、申請を出した方が利口ですよ。きっと」


この収蔵庫を壊すのはもったいないから・・・

私たちもついつい「後でなんとか」という誘惑に駆られますが・・・
最近は、その誘惑に負けると大変なことになります。
現実に、このお寺でも、納骨堂新築の建築確認申請を出そうと思ったら、以前建てた伽藍の完了検査がまだ終わっていないという理由で、現況調査、報告、立ち入り検査・・・建築基準法の12条報告が必要になりました。

幸いにもこのお寺では、以前、設計施工で一任した工事会社が非を認め、調査、書類作成費用を負担したので大事には至りませんでした。しかし、もし、その会社がなくなっていたら・・・工事中に脱法行為が行なわれていて、それが発見されたら・・・申請費用から改築工事まで、全部お寺の負担になるところでした。
例え小さな収蔵庫の移築でも、甘く見てはいけません。「耐震偽装事件」に伴う法改正後の建築確認申請は何しろ融通が利きません。


造園デザイナー、曳き家工事会社と移築先を検討する

移築の確認申請は、お寺の心配をよそに、短期間で下りました。
ただ、こういう申請は民間の審査会社では受け付けてくれないので、いちいち奈良県の役所まで足を運ぶ羽目になり、私たちの手間と時間が余分にかかりましたが・・・。

いよいよ工事開始です。


歴史のある枯淡な本堂



  

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