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| 浄土宗 寺院 耐震補強工事 | |||||||
この寺院は明治に建てられたお寺で築100年の由緒あるお寺です。 建物は本堂と庫裡とが一体となった庫裡御堂形式で、二層式の屋根をもった豪壮な外観をしています。 けれど現況調査をすると、いつ倒壊してもおかしくないほどの耐震強度しかありませんでした。 今回は、晋山式をひかえるとともに、100年経過した建物を今後も長きに渡りお参りいただけるよう耐震 補強工事をすることになりました。 原形をあまりさしさわり無く補強してほしいということで、伝統建築構法の利点を生かした限界耐力計算法 に基づいて耐震補強をすることにしました。 壁があまり無いのは、どこのお寺でも共通していることですが、このお寺は屋根が2層式になっていて 非常に重く、そのわりに柱が非常に細いという難点があります。 限られた予算の中で、これらの問題点を解決しながら、安心して御使用ができる補強工事をしていかな ければなりません。
工事のポイントを押さえながら必要最低限の工事をすることにしていきます。 まずは、屋根の葺き替え工事から。 重い葺き土を取り払い、乾式工法の桟瓦葺きに変更します。
瓦を取り除き、軽くなったところで不陸調整をします。 油圧ジャッキをかって適正な高さに調整します。 極端な落ち込み等はないのですが、経年変化で生じた小さな落ち込みが矯正されました。 その後、基礎工事を行います。 必要な箇所に基礎を新設します。重機は入れないので全て手作業になります。 根切をすると玉石が隙間無くゴロゴロと出てきました。 水はけも良く良質な地盤であることが判ります。 不安を感じる躯体でありながらも、長い年月維持されてきた理由が判る様な気がしました。
大正時代に大きな台風に遭遇しており、大規模な改修が行われています。 その時に戻しすぎたのか、つっかえ棒してある側よりも手前の方に建物が少し傾いています。 それを垂直に戻していきます。 この建物は建設当初、造作工事にまで資金が回らず、後々天井や壁ができております。 そのため、何かの影響で傾いた柱があっても、その状態のまま造作工事がされているみたいで、 傾きを戻すのがなかなか大変です。 完成してから自然災害等の外圧で変形していればもう少しスムーズに修正できると思うのですが、 思った以上に大変な作業になってしまいました。
耐震要素の一つとして、仕口ダンパーを取り付けて大地震に備えるのですが、今回は柱が細く 本当に設置可能なのか不安があったので、今までに数多くのダンパー設置経験がある技術者に 来ていただき、設置場所一つ一つの検証をしていただきました。
壁がまったく無い状態であったのを、少しでも増やすために意匠上、お寺の行事上、差し障りの無い 範囲で柱を新設していきます。壁にしてもいいところは非常に限られていますが、計算上は大地震でも 倒壊の危機から免れる補強工事になっています。 柱が増えたことでかなり安心できるようになりました。
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