大阪府 真宗寺院本堂 1年点検


           グルーラム・ボックス工法で造った真宗寺院本堂の1年点検を行いました。

           もっと早い段階で実地する予定でしたが、新型インフルエンザの騒動があったため2ヶ月ほど遅れての1年点検です。

           1年で不良が出ることはまずありませんが、万が一何かあったとしたら・・・

           施工ミスがあったのではないかと疑ってもいいと思います。

           私たちが現場監理をしているのでよほどの事はないと思いますが…….。


           先日、壁面からの水漏れがあったと聞いて心配していました。

           現地に到着して、早速水漏れがあった箇所を確認。真壁と大壁との境目にあたる水切際が問題の箇所です。

           原因は柱の節が抜け、そこから水切を超えて水が廻ったことでした。節を埋めたら水漏れはとまりました。

           真壁造りは柱が外部に面しているため、ちょっとしたきっかけで室内に水が廻る恐れがあります。

           今回のケースは、原因が特定できたので幸いでした。

           その後、ボルトの緩みを確認したり、床下にもぐって湿気の確認をしたりしましたが特に不具合は確認できま

           せんでした。まずは一安心。


           久しぶりに住職とお会いして、色々話も弾みました。

           お会いした当初から、地域に開かれた寺院を目指したいと言っておられましたが、実際に毎月の仏教の勉強会の参加

           人数も、右肩上がりで増えているとのこと。目的を着実に達成されているようでとてもうれしく思いました。

           法要でお見えになられる方が、「肩肘張らずに落ち着ける本堂ですね。」とおっしゃってくれるそうです。

           「客間がせっかくあるのに“本堂の方が落ち着くから”と、本堂で談話されていく方がほとんどで、客間の稼働率

           がとても悪いんですよ。ハハハ。」と住職。





 
落ち着けると評判の本堂内部

書院も出番を待っております!


           本堂の隣に造らせていただいた庫裡は高気密高断熱仕様にしました。結構オープンな間取りになっているのですが、

           「冬がとても暖かくて、快適に過ごしていますよ。」とおっしゃっていました。

           また、夏もエアコンを一つつけるだけで快適にすごせるそうです。


           このお寺では竣工後、多少の増築をされました。

           「小さな工事だったので、わざわざ設計士に頼むこともないだろうと直接工務店に頼んだら、まったく自分の思い

           通りにならず、些細な工事でも設計士さんを通すべきだと悔やんでいます」とおっしゃっていました。

           丁度、その工事をしていた時に、住職様から電話があり「工務店が納得のいく仕事をしてくれなくて、やっぱり

           設計士さんが監理してくれなければいけなかった」と悔しそうに言っていた事を思い出しました。1年以上経過した

           後でもこのことを切々と語られるのを聞くと、とても後悔していることが判ります。


           私たち設計士は、お施主様に満足していただくことを使命としておりますので、今回の出来事は悲しく思いました。

           当初から増築の話はされていたのでもっと積極的にお力になってあげればと反省しました。


           1年点検では建物の状態を確認するだけではなく、住まわれてからの感想や、引渡し後に起こった出来事が

           聞けてとてもためになります。



                                                                 執筆:野村 建太
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