虎渓山 永保寺再建庫裡


2005年9月22日


現場で土壁の試作を行ないました。

再建する庫裡の壁の土壁になりますが、その壁厚は100mm、

高さは4.5m近くと巨大です。

今回は木材伝統構法の「ねばり強さを生かす構造」を採用し、

限界耐力計算で構造計算を行ないました。

そしてその結果、壁厚は100mm以上必要!

柱と貫

さて、それだけの壁を小舞下地だけで支えられるだろうか?

「貫の両側に小舞下地をつくったらどうだろう。つまり、貫を

小舞で挟み込む。」と菅野。

「なる程。でも2枚の小舞下地の間にうまく土が充填できる

だろうか?」

と中村建設の木村工事部長。


わら縄で竹を貫に固定

「よし、試しに作ってみよう!」

この作業には、山内寺院、永保寺事務局の方も立ち合いました。

田口左官さんが手馴れた様子であっという間に小舞下地を

作りました。そしてもう1枚・・・


縦に立てた竹に、わら縄で
横方向の竹を固定



「これは無理やねぇ。柱際に下地がないと壁が割れ易いから竹を

1本立てたいけど、反対側に立てた竹とケンカして作業できん。」

「なる程。」

そこで、今田口さんが作ったばかりの小舞下地をチェックして

みました。

「こりゃあ、バンバンやわ。」



小舞(こまい)下地完成


貫は30mm×100mm、60cmピッチで入っています。

そこで八野棟梁に電話してみました。

「心配なら45cmピッチで貫を入れましょうか?」

貫を細かく入れれば、小舞は1枚で十分だという結論になりました。

「ただ、貫部分にも土がよくくっつくようにもう一工夫しようよ。」

という菅野に「考えてみますわ。」と田口左官さん。



荒壁を塗る

11月10日


庫裡の鬼瓦の原寸図をチェックしました。

「正面の鬼は南を向くので雄。口を閉じた顔になりますが・・・」

と伏見窯業の社長。

「そんなこと気にしたことなかったなぁ!」と菅野。

「口を閉じた鬼は迫力がないので、少しアレンジしても

いいですか?」


12月21日


岐阜県高山市の八野大工へ伺い、庫裡の原寸検査を

行いました。

庫裡の見せ場は何といっても南側正面外観です。

勾配のきつい切妻屋根と、強い反りのある破風板。

虹梁、海老虹梁、束、肋木など、構造と彫刻が一体となった

木工技術の粋。

八野棟梁が設計図に基づいて、屋根や軒の反りの原寸図

(縮尺1/1の絵)を描き、菅野がその線をチェックしました。

「ちょっとおとなしいねぇ。中央であと40mmぐらい反りを

強くしてみようか。」

早速、細い木を曲げてその線を描く八野棟梁。

「わたしも、このほうがいいと思いますねぇ。」

当日は、中村建設から木村工事部長、小澤、神野、大野さんが

立ち合いました。

「もう一度きれいに描き直してから、お寺様に見て頂くように

します。」

これでいよいよ、木造庫裡の木の加工が始ります。

2006年1月13日

いくら僧堂とはいえ1000坪近い建物を維持するとなると、

電気も高圧受電になります。

高圧受電になると境内にキュービクル(変圧施設)を

設置する必要があります。

境内に一番近い中電柱で目立ちにくい場所は?

中村建設の神野監督、小境電気、事務局の千葉さん。

そして菅野が相談して・・・。

「ここならいいでしょう。でも、板塀で囲ったほうがいいね」








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