虎渓山 永保寺再建庫裡

2004年7月29日


再建委員会が開かれました。

そして、愛知県のN建設と岐阜県のN工務店の見積りを中心に詳しく比較検討した

「比較検討書」、会社内容、主任技術者、現場に常駐する専任監督の経歴の

比較評価も含めた「総括」を菅野が説明しました。

実は、見積り依頼書で

   ・ 請負者は社寺建築指導監督経験10年以上、一級建築士の資格を持つ

   ・ 主任技術者に工事を監修させること。

   ・ 社寺建築指導監督経験5年以上、一級施工管理技士の資格を持つ

    専任監督を現場に常駐(建て方以降)させること。 上記主任技術者及び

    専任監督の資格書の写し、経歴書を見積書提出時に提出すること。


という指示をしたのです。

どの建設会社に庫裡の施工を一任するか。

N建設、N工務店以外の建設会社も含めて、いろいろな見地から検討、

白熱した議論が展開されました。
その内容を受け、住職(萬仭軒老大師)が

「庫裡の施工は中村建設株式会社に一任しましょう」

という決断を下し、拍手をもって決議に至りました。

そして、起工式は9月7日(火)に挙行されることになりました。



8月9日

見積り書を詳しく見てみると随所に設計以上の工事単価が入っていました。

また、特に木材については、設計図で指示した材が想像以上の値段になる!

という現象も見受けられました。

これは、「永保寺だから」という意識が、設計士、建築会社双方にあったせいだと

思います。そこで、住職、山内寺院、事務局に集まっていただき、菅野が変更案を

提出。検討していただきました。

その結果

    ・見えない所、雲水が使う部屋は節のある材料

    (特1等材)で十分である。

    ・雲水が使う部屋の建具は、丈夫なことを第一として

    材料は問わない。

    ・永保寺庫裡は修行道場(雲水の教育の場)である。

という認識のもと、変更案以上の変更を指示されました。


8月19日

「今、桧皮葺きの様子が見てもらえますよ」という田中社寺(株)からの連絡を受け、

菅野、野々垣、野村が岡崎市の妙源寺柳堂(国の重要文化財)の修復現場へ

出掛けました。

現地で説明してくれたのは、田中社寺(株)文化財屋根工事部の

桧皮葺師、古川有良さん(37才)です。

現在、古川さんの他に2人の葺師さんが仕事をしていますが、

その2人も見るからに20代!

「若い職人さんがいていいですねぇ」

「そうですねぇ、最近は若い職人も増えてきましたょ。

でも10人のうち1人残るかなぁ〜って感じですよ」





桧皮は約1.2pずらしながら重ね、竹針で止めていきます。

「(基準の)糸も張らないでよく正確に葺けるねえ」

「僕たちの仕事は勘が第一ですからねぇ」

しかし、本当に手間のかかる仕事です。

「平葺き部分でも、1日に畳1枚分葺ける程度ですかねえ」

ということでした。

伝統的な工法を、若い職人さんたちが誇りを持って

継承している姿を見て、うれしくなった菅野でした。





9月7日

昨年、9月10日に焼失した永保寺再建の第1期工事、

庫裡再建工事がいよいよ始まります。当日朝、台風18号が

長崎市付近に上陸し、北東に向かっているというので、

心配をしましたが、地鎮祭が始まった午前10時、虎渓山は

少々風が強かったものの好天に恵まれました。

式には、南禅寺管長も御来席いただき、住職を始め、

再建委員の方々、工事関係者約50人が参列しました。

弊社からは、菅野・野々垣・野村が参列しました。

御指名を受け、菅野がご挨拶をし、僭越ながら祝杯の発声を

させていただきました。


「火災後たった1年で地鎮祭に至ったこと、行政が桧皮葺きを

特別に許可してくれたことは、岐阜県民、多治見市民、全国で

永保寺を支えている方々の再建への熱い気持ちの表われだと

思います。

このような大事業の設計・監理を一任されたことは、たいへん

光栄に思いますが、それ以上に責任の重さを感じております。

皆様の期待にお応え出来るように、全力を尽くして業務に

励みます。」


さて、工事は2007年7月に完成予定です。

先ず、木造の蔵の取り壊しと、文化財発掘調査をしてから、

本格的な再建工事に取り掛かります。








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