虎渓山 永保寺再建本堂

2004年1月9日


岐阜市の田中社寺(株)へ行きました。

この会社は、桧皮葺き柿葺きを手がけている全国でも数少ない

工事会社です。

社長の田中敬二さんから、桧皮葺きの現況について

お話を聞きました。

というのも、永保寺の本堂・大玄関の唐破風は桧皮葺きで

復元したいという希望が強いのですが、果たして今後も桧皮は

供給されるのか? 葺き師は残るのか? とても不安だったのです。



しかし、田中社長の答えはとても心強いものでした。


「国も危機感を持って、国有林の中に、桧皮生産用のエリアを確保したから

もう大丈夫です。それに国の養生所で若い葺き師が育っていますから、

逆に桧皮葺きが少なくなると困るんですョ。ハハハ・・・・」


1月22日

再建委員会で、再建する建物の構造が大議論になりました。

「木造だったから今回のような火災が起きた。だから庫裡は耐火構造にすべきだ」

「永保寺は修行の場なのだから本堂・庫裡は伝統的な木造にすべきだ。

しかし、類焼を防ぐために、本堂・庫裡に挟まれる大玄関は耐火構造にすべきだ」

「いや、全て木造で復元すべきだ」

などいろいろな意見が出ました。 結局、
  
  ・ 火を使う部屋は耐火構造とするが、その他は木造とする。

  ・ 以前は、防火設備の制御盤が木造部分にあり、火災時防火設備が

    使えなかった為、今回は耐火構造の中に防災センターを設置する。

  ・ 大玄関は木造とするが、蔵造りのようにして防火シャッターで区画する。

  ・ 間取りは、建具のない吹きさらしの廊下で各部屋へ行く、従来の形に復元する。

    という事になりました。


3月27日

再建委員会で、

  ・ 再建は第1期:庫裡棟、第2期:大玄関棟、第3期:本堂と順に設計と

    工事を行うこと

  ・ 工事会社は各々見積もり合せをして決定すること

    が議決されました。



8月19日


「今、桧皮葺きの様子が見てもらえますよ」

という田中社寺(株)からの連絡を受け、菅野、野々垣、野村が岡崎市の妙源寺柳堂

(国の重要文化財)の修復現場へ出掛けました。

現地で説明してくれたのは、田中社寺(株)文化財屋根工事部の

桧皮葺師、古川有良さん(37才)です。

現在、古川さんの他に2人の葺師さんが仕事をしていますが、

その2人も見るからに20代!

「若い職人さんがいていいですねぇ」

「そうですねぇ、最近は若い職人も増えてきましたょ。

でも10人のうち1人残るかなぁ〜って感じですよ」



桧皮は約1.2pずらしながら重ね、竹針で止めていきます。

「(基準の)糸も張らないでよく正確に葺けるねえ」

「僕たちの仕事は勘が第一ですからねぇ」

しかし、本当に手間のかかる仕事です。

「平葺き部分でも、1日に畳1枚分葺ける程度ですかねえ」

ということでした。

伝統的な工法を、若い職人さんたちが誇りを持って

継承している姿を見て、うれしくなった菅野でした。





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