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2021.11.2

埼玉県のお寺から築600年の本堂耐震のご相談。「1種地盤」に建っています(川島)

2021.11.2

Category: 耐震補強

8月中旬、埼玉県のお寺から本堂の耐震についてのお問い合わせをいただいたので・・・所長の菅野と横浜事務所からお寺へ向かいました。

車で登るのも大変な急勾配の坂道の上、山を背に間口8.5間の堂々たる木造本堂が建っていました。

「本堂の床下に岩盤が頭を出していますよ」と副住職。

当然の事ではありますが、岩盤の上は地震の時に揺れにくい土地です。





【J-SHIS マップ】が 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 のホームページに載っていて、地盤種別を知ることができます。
https://www.j-shis.bosai.go.jp/
↑お住まいの地域の揺れやすさを是非調べてみて下さい。

青色・薄い黄色が最も揺れにくい【1種地盤】にあたり・・・このお寺の境内もその中にあります。

日本地図で見ると青い部分が多いものの、ほとんどが山岳地帯で人口の少ない地域です。
今まで耐震診断を行ったお寺は、ほとんどが2種か3種地盤でした。

最も揺れやすい3種地盤での耐震補強は、工事金額が高額につきますし、耐震補強ができないケースも少なくないので、注意が必要です。

 

さらにお話を伺うと… 本堂の内陣部分は築600年で、その後、増築が繰り返されてきたとの事。

内陣の柱には、ケヤキが使われていますが、その他は杉や松で蟻害も見られます。

構造的に不利になる様な増築がされていたり構造材の劣化が進んでいれば、耐震補強も難しくなります。
そこで、「まずは現状を把握しないと先に進めないから」と・・・住職から耐震診断の依頼を受けました。

早速、横浜事務所の植松、長岡そして本社から中村が加わり、4人で現況調査を実行!
小屋裏の登り、床下に潜り・・・くまなく調査しました。

現在は、耐震診断報告書をまとめています!




耐震診断の構造計算は、建物が傾いていない、劣化していないことを前提に行います。

したがって、現在の本堂の耐震強度を示すものではありません。
例え、耐震診断の結果がよくても、傾きや劣化個所は直す必要があります。

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