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2017.2.28

I love 基礎 ― 縁の下の力持ち ― (伊藤知)

2017.2.28

Category: 知って得する和の技

家が完成するとあまり注目されなくなる基礎。普段は気に掛ける機会も少ないかと思います。
そもそも基礎って何なんでしょう?建物をのせておくステージみたいなもの??それだけ??
実はもう少し重要な任務を背負っているのです。

建物は手足を持たない動けないハコです。そんな状態で、地震や強風にさらされるわけです。
建物が倒壊しないように踏ん張り、地面に力を伝える(流す)コトを一手に引き受けているのは何か?

それが基礎。

曲げ・ねじれ・浮き上がり・ズレといったあらゆる種類の力に耐えます。
その場所から逃げ出すこともなく、地面と一体化します。
基礎がガンバってくれるのです。まさに縁の下の力持ち。I♥ 基礎。


基礎だけだと、ちょっとした迷路のよう。




住宅で一般的なベタ基礎です。柱・土台にかかった力が、立上り部をとおして底盤全体に伝わるようにしています。




コンクリートを打つ前に型枠の中をのぞいてみると色々なモノが。



私たち設計士は基礎の形状、柱、土台と緊結する金物の位置が間違っていないかしっかり確認します。黄色いリングは、コンクリートの厚さを確保するスペーサー。輪切りのレモンのようです。


織モノのような基礎の配筋




基礎は、大部分が地中となるので、鉄筋コンクリートでつくります。
配筋検査では、設計図通りの、鉄筋の太さ、本数、ピッチ、コンクリートの厚さなど間違いなく造られているか確認をします。鉄筋を組むのは当然、職人さんの手作業。


どんな建物?




これは連続フーチング基礎(布基礎)です。この建物、8角形の平面で、立上り高さもかなりあります。ちょっと変わった基礎の形をしています(実はお寺のお堂の基礎です)。基礎ができると、上にできる建物が目に浮かんでワクワクします。


重量級の建物




重量級の建物やノッポの建物は、大きな曲げ・ねじれの力に耐えられるよう、しっかりした基礎梁(地中梁)をつくります。ゾクゾクします。


一言で基礎と言っても、その上にのる建物の規模や構造によって、その仕様はさまざま。
お近くに工事現場があったら、ぜひ基礎工事を注目してみてください。

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