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2020.5.19

東京のお寺から閻魔堂再建のマスタープラン依頼、只今進行中(川島)

2020.5.19

Category: 本堂新築

お寺は、都内でも有数の商店街の一画に位置しています。
 
東京には星の数ほど設計事務所があるはずなのに・・・
菅野企画設計の伝統を生かした寺院設計の実績を評価して、声をかけてくださいました。


お客様からの要望書にも「伝統的深み」と「存在感のある」デザインを望むとあります。


第一案をお寺へお持ちし、好感触を得たので、模型を作ってみました。


 
与えられた敷地は、周囲を建物に囲まれた約260㎡。
広大なお墓へ続く道に面しているとはいえ、道幅が狭く、敷地も限られています!
しかし、ここが考え所です。


「軒には化粧垂木が欲しいよね」

ところが、敷地周辺は建築基準法の防火地域に指定されています。

 
防火地域では、建物の構造だけでなくディテールについてもいろいろな規制を受けます。
そして、延焼のおそれのある軒裏には“防火構造”が求められます。
 
化粧垂木には日本の伝統建築独特の美を感じます。

防火構造にはふたつの種類があります。

 
・国が定めた性能試験により、その性能が確認された製品に対して大臣が認定を与えた“認定による防火構造”

・建設省告示第 1359 号に定められる“告示による防火構造”
 
しかし“認定による防火構造”は、規定が詳細にわたっており、仕様から少しでも逸脱すると防火構造として認められません。
 
それに対して、“告示による防火構造”は告示に示された仕様を満たしていれば、化粧垂木も認められます。
 



 
東京都内に伝統的デザインの建物を造るためには、他の地域とは異なる知識と工夫、さらに労力も必要ですが・・・
 
美しい化粧垂木の軒を実現する為、知恵を絞っています。
 
昨年、東京都練馬区の浄土真宗本願寺派 真龍寺に木造の本堂が完成し、住職と檀家の皆様に大変喜んでいただきました。

詳しくはこちらをご覧ください。真龍寺完成ギャラリー

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