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2020.11.24

横浜市の高野山真言宗 遍照寺で、本堂の耐震補強工事。只今建て起こし作業中。(伊藤知)

2020.11.24

Category: 耐震補強

横浜市の高野山真言宗 遍照寺で、本堂の耐震補強工事が始まりました。

本堂は間口8間×奥行き4.5間で、東西方向に細長い間取り。
屋根は寄棟屋根の銅板一文字葺きです。





現在は、「建て起こし」作業を行なっています。

  現本堂は、
  関東大震災で倒壊してしまった旧本堂の古材で再建された建物です。
  その後、2度にわたる屋根・内外装大改修を行ないながら、大切に使われてきました。

しかし、耐震診断調査の結果、
建物が向拝方向に傾いていることが判明。傾きが長さの1/80以上という柱もありました。

そこで、
新しい耐力壁で構造体を固めてしまう前に「建起こし」を行ない、
建物の傾きを矯正しておかなくてはなりません。

 

建物によって「建て起こし」の方法は様々ですが、、、



今回は3000kgワイヤーウインチを使って、柱や梁を引っ張り起こします。

とても分かりやすい作業方法ですね(笑)

ただ、ワイヤーの設置位置や手順等については、
この建物に最適な方法を、事前に充分検討をした上で行ないます。

建て起こし工事の知識・経験の多さが問われます。




まずは、ワイヤーウインチを5カ所設置。

徐々に建て起こしを行なって、
柱の戻り具合や、建物各部に変化や異常が起こっていないか様子をみながら慎重に。

 




ひと工程が終了して、柱の倒れを再測定。
結果を検証してみると、、、

「ワイヤーにかけた引張力の割には、柱の戻りが少ないような。。」
「前回の大改修で、柱が傾いたまま内外装を仕上げてしまったためかなあ。。」
「さらに引張力をかけるとなると、接合部・組物が心配だね。。」

監督、職人と一緒に知恵を絞ります。

 

ワイヤーウインチの設置個所を追加し、各部位に補強や下準備を行なうことにしました。
その上で、建て起こし作業を続け、様子を見ることにします。

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