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2019.4.9

愛知県稲沢市。和風庭園の中に建つ築80年の古民家再生が完成(植松)

2019.4.9

Category: 古民家再生

愛知県稲沢市で、築80年古民家の耐震改修工事が完了しました!

「築80年の建物を耐震改修したいので、相談にのってください」
50代のご夫婦から連絡を受け、お伺いすると・・・
その建物は田の字型の間取りで、建具の上は高さ30cmの松の差鴨居、
大工の手が充分に入った、民家造りでした。


LDK:
土間と玄関脇の洋間を、広さ18帖のLDKに改造しました。
歴史を重ねた梁を活かしたインテリアに、お客様も民家風の家具をコーディネート。
「飛騨高山の家具をインターネットで見つけまして・・・」と楽しそうなご主人。

南側の大きな窓から庭が見渡せます。

「すごく眺めがよくてねえ。網戸をはずして、景色を楽しんでいますよ」
「アンチークなお店みたいって、友人から羨ましがられましたよ!」



改修後


改修後

 改修前

和 室:
和室廻りは、間取りを変えたくないというご要望だったため、
この部屋の改修工事は、耐震上必要な壁を設けた他は、畳の表替えと壁の塗り替えのみ。

歴史を経た梁や踏み天板が、水洗いで美しく蘇りました。
新調した建具も、既存のデザインを踏襲しました。



改修後



改修後

 改修前

外 観:
外観は、基本的には改修前のまま。
屋根を軽量化するため、瓦を乾式で葺き替え、耐震上必要な壁を新設し、漆喰を塗りました。
ただ、戸袋や腰板に下見板をあしらい、より和風に仕上げました。



改修後

 改修前

 

構 造:
菅野企画設計では・・・
石場建て(礎石の上に柱が建っている)で土壁造の古民家の耐震補強は通常、土壁の粘りを耐震力に利用する「限界耐力計算」に基づいて行います。

しかし・・・
敷地の表層地盤増幅係数が大きいこと
田の字型間取りの和室に、壁を設けたくないというお客様のご希望を考慮し・・・今回は、建物を固める「壁量計算」のほうが適していると判断しました。




新しく壁を設ける部分には、鉄筋コンクリート造の基礎を造りました。
また、床下に鉄筋コンクリート造の土間を打ち、鉄製の特注金物で柱を緊結することで、
建物が浮き上がるのを防ぎます。


特注金物で土間と柱を緊結
 
耐震強度を確保すると同時に・・・
床・壁・天井を断熱材で覆い、高い断熱性能を確保しました。

先日、完成写真の撮影にお伺いすると
「とても暖かいですよ!!」と奥様。断熱効果を実感されているようです。

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