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2017.1.5

明けましておめでとうございます。2017年のお正月は京都詣で(菅野)

2017.1.5

Category: トピックス

明けましておめでとうございます。

正月は、いかがお過ごしでしたか?
私は、現在進行中の設計に役立てるべく、京都のお寺を巡りました。




先ずは南禅寺。
現在、臨済宗寺院の本堂を設計しています。
先日、住職より「菅野さん、廊下から本堂へ入る引き戸は襖でいいの?本山は舞良戸だった気がするんだけど」と尋ねられて・・・

「南禅寺の方丈は、廊下側が舞良戸なのに、本堂側は襖のように紙が貼ってありました。きっと、廊下が吹き抜けなので、外側を舞良戸にしているだけで、屋内の廊下に面した引き戸なら襖でいいと思います」とお答えしました。

しかし、内心「本当にそうだったかなあ?」
現地を訪ね・・・記憶が正しかったことを確認しました。




次は、山門。豊田市の真宗寺院で薬医門を造ります。
屋根は本瓦葺きで、降り棟のないデザインにまとめました。

すると・・・「降り棟は、本当になくてもいいんですか?」棟梁から質問を受けました。

以前、瀬戸市の仙寿寺山門を同じデザインで設計し、好評だったので自信はあります。

しかし、何事も独りよがりになってはいけません。迷った時は先人に習うことです。

写真のように、南禅寺山内の山門はほとんど、降り
棟がありません。調和がとれて、美しいと感じました。



次は、平安神宮。
昨年の暮れ、竜宮城のような門が造りたいというご依頼を受けました。

長崎の崇福寺や山口の赤間神宮の山門が思い浮かびますが、正月に訪ねるのは、ちょっと遠すぎます。また、この二つの建物は、一層目が袴造りになっていますが、二層目は入母屋造りの屋根です。

ひょっとして、平安神宮の白虎楼、蒼龍楼の屋根の方が竜宮っぽくないか?そう思い、訪ねました。

同行した妻が「なにこれ?面白いねえ」
インパクトという点ではこちらに軍配が上がりそ
ですが・・・さて、どうしようか?現在思案中です。

昨年、宝物殿の相談を受けました。ふたつの案を提出しましたが、現在はまだ検討中とのこと。
いずれ連絡をいただけるはずなので、その日のために、智積院宝物館を訪ねました。この建物には、長谷川等伯の描いた国宝 金碧障壁画が展示されています。

松や桜を豪快に、そして繊細に描いた等伯の技量に圧倒されました。そして、同じ日本人として、その感性と技巧のすばらしさに、改めて誇りを感じました。宝物館を後にして・・・建物の観察を忘れた!ことに気が付き、苦笑。
でも、宝物館とは宝物を見せるところ。そう考えると、建物はさりげないデザインでいいということなのかもしれません。


この後、三十三間堂を訪ね、千体千手観音立像、本尊の千手観音座像に手を合わせました。黄金の観音様が見渡す限りに並ぶ姿は壮観そのもの。たゆたう香の煙の中、千手観音様を見上げながら、家族でこの地を訪ねることができた喜びを感じました。

平成29年もご愛顧賜りますこと、心よりお願いいたします。
株式会社 菅野企画設計 代表取締役 菅野良司

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