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2017.4.18

和室のある和風住宅。床の間のある生活を楽しむ(伊藤絵)

2017.4.18

Category: 知って得する和の技

最近は和室のない住宅が多数派になったようですが・・・
菅野企画設計では、和室のある住宅をたくさん設計しています。


和室につきものなのが床の間。
菅野企画設計では、いろいろな種類の床の間をデザインしています。

床の間は大きく「本床」と「略式床」に分かれます。
真・行・草でいえば、真が「本床」、行・草が「略式床」になります。

本床とは…
1.床柱
2.落し掛け
3.床框
4.床が畳敷きであること
4つの条件を全て満たしたものを「本床」と呼びます。




写真は、愛知県一宮市に完成した二世帯住宅の仏間です。
「本床」の場合、床柱には桧の角材を使うことが多く、こだわる方は四方柾目の銘木を使います。
格式を高くする場合は、床の畳表に龍びん、畳縁に紋縁を使います。

次に「略式床」の実例をご紹介しましょう。




写真は、岐阜県不破郡に完成した終の棲家、平屋建て住宅の玄関です。
床框の代わりに地板の木口を見せた「蹴込床」とよばれるデザインです。
床柱はコブシ、落とし掛けには変木を使って、遊び心溢れる床の間になりました。





写真は、神奈川県高座郡に完成したお寺の玄関取次の間です。
この部屋の床の間は、床框がなく、欅の地板敷き。落し掛けは塗り回しで仕上げました。
「洞床(ほらどこ)」と呼ばれるデザインです。
円形に塗りまわし、床柱側に格子を建て込みました。




写真は、和歌山県有田市に完成した和室二間続きの下段の間です。
上段には「本床」を設けたので、下段は「略式床」を設えました。
欅の蹴込板の上に、釣り鐘型の塗り回しです。
床内の腰壁に和紙を貼り、趣向を凝らしました。

こちらは「龕破床(がんわりどこ)」と呼ばれるデザインですが・・・
「洞床」との違いは、塗り回しの袖壁が両側についていることです。

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